HYDE扮する女王アミダラが光臨した、VAMPS主宰ハロウィンイベント幕張2日目／レポート

　
■VAMPS主宰【HALLOWEEN PARTY 2016】ライブレポート
2016.10.29(SAT) at 幕張メッセ国際展示場9・10・11ホール
（※画像31点）

「宇宙の彼方からやってきました。みんなのおかげで戦いが終わりました」（HYDE）

今年で10回目を迎えたイベント『HALLOWEEN PARTY 2016』幕張メッセ2日目の10月29日（土）。真っ暗な会場でジャック・オー・ランタンが舞台両サイドの巨大モニターに映し出され、目と口だけを光らせて怪しげに喋りだす。もはやおなじみになったセリフ「皆さん、元気に死んでますか？」と共にナレーションがはじまった。そして、生い茂った巨木と古城をあしらった舞台に雷の轟音が鳴り響き、紫の幕が上がる。

これまでの雰囲気から一転、童謡「一年生になったら」のメロディーをBGMに、舞台に佇んだ小さな男の子が語り始める。「好きなミュージシャンはL'Arc～en～CielさんとVAMPSさん。好きなタレントはメンタリストのDaiGoさん」から「一番の悩みは重いものが背負えない」等、自己紹介の最中「大丈夫だよ」の声と共に真っ白な衣装で羽根を生やしたDAIGOがランドセルを持って登場。コマーシャルのあの曲を歌いあげた。

そのまま蝶に扮するMVのシングル曲「BUTTERFLY」に繋げ、ハイテンポなエレクトロサウンドでライヴの口火を切った。MCではCM企業から借りてきたという衣装の紹介と共に、モニターでしっかりとCMを流してアピール。また、舞台に上がる間際にCMの振り付けをしておどけるHYDEから送り出されたと語り、会場を和ませた。

続いて、DAIGOソロとしての初のシングル曲「無限∞REBIRTH」。笑いを誘うMCから瞬時に切り替え、熱いまなざしに真剣な表情で歌いあげ、再びMCへ。前日の幕張初日の打ち上げの席でHYDEから「静かな音で聞くDAIGOの声いいよね」と褒められ、「これで歌手をあと30年は頑張れる」と喜びを隠さない。

「そんなHYDEさんの愛が溢れるハロウィンパーティだから、もっとみんなと愛を深めたい」(DAIGO)と、ピアノの伴奏でDreams Come True「LOVE LOVE LOVE」の前奏が始まる。すると突然ナレーションが始まり、眉間を寄せながらの桑田佳祐、声をからしながらのCHARA、「あんちゃん」とセリフを混ぜての福山雅治、シャウトをするB'z稲葉浩志、キレのある氷室京介、吐息を漏らしながらのHYDEと、一人モノマネリレーで会場を爆笑に包みながらも、「みんなで」と「LOVE LOVE LOVE」を合唱した。

「みんなのおかげで愛が溢れる空間にできた」と再びMCに入る。自身の結婚を語り、披露宴で歌唱しシングルにもなった「K S K」を熱唱。最後はCMの振り付けポーズで退場し、笑わせながらも聞かせるステージだった。

続いてはMCやまだひさし進行による恒例の「HALLOWEEN COLLECTION」。みんなが主役になれるというコンセプトの元、VAMPSが応募者の写真を1枚1枚見て選び、優秀者はアーティストと同じランウェイを歩くことができるイベントだ。

「将来の夢はHYDEさんになること」と語る3歳の小さな男の子や、親子での参加、「おばあちゃんと孫たち」と三世代での参加者、MCのやまだひさしの仮装等、幅広く選ばれた。今回もとてもレベルが高く、エキサイトミュージックでも開演前にスナップを撮影した中から何組か選ばれているので、こちらもチェックしてほしい。




次のアクトはRADIO FISH。お笑いコンビのオリエンタルラジオを中心に結成されたダンス&ボーカルユニットで、「GOLDEN TOWER」のEDMサウンドが会場に響き渡る。そこにはお笑い芸人の姿はなく、圧巻なキレで独特のダンスをする中田と、シンセサウンドにきれいに乗るハイトーンラップの藤森を筆頭にしたダンス集団がいた。

合間に挟んだ「よろしくでーす」のチャラ男キャラがかすむクオリティーのパフォーマンスでコール&レスポンス満載の「NKT34」に繋げる。1週間前に決まり、前日の夜に完成したという手作りの衣装でコミック『ジョジョの奇妙な冒険』の主役ではないキャラに扮したメンバー。MCでは中田が翌日に控えた自身も参加する子供の幼稚園受験のエピソードや、「2016年は『PERFECT HUMAN』がヒットして走り抜けると思ったところで出てきたのがピコ太郎」（中田）など、軽快なトーク運びから「ULTRA TIGER」やヒットのきっかけとなった「PERFECT HUMAN」へ展開した。







3番目のアクトは茉莉花。THE ROAD TO HALLOWEEN PARTY 2016の幕張第2位に選ばれた、2016年にデビューし3ヶ月でオーディションに合格したばかりのR&Bシンガー。胸元に大きなリボンをあしらったハロウィンらしい黒とオレンジのドレスで身を包み、「かぞえうた」「My self」「ありがとう ごめんね」と、ポップからバラードまでライヴ経験が少ないながらもそれを見せない歌唱力で、大きなステージに臆することなく堂々と歌いあげた。

吉川晃司と布袋寅泰のCOMPLEX「BE MY BABY」で登場したのは4番目のアクトとなる氣志團。幕が上がるとそこにいたのはメンバー5人によるりゅうちぇると、ぺこに扮した3人のダンサー。色違いでお揃いのトレーナーにハーフパンツ＆カラータイツといった出で立ちで大ヒット曲「One Night Carnival」を披露する。曲の間奏にあるセリフのシーンでは「アイハブアペコ」と、自身が扮するぺこ&ちゅうちぇると大ブームのピコ太郎の「ペンパイナッポーアッポーペン」を掛けたり、「行こうぜ、ちぇるちぇるらんどの向こうに」と笑いを誘った。


続いて2枚目のシングル「恋人」はアップテンポのバラード。ハスキーな声に甘酸っぱい歌詞がとても心地いい一方で、舞台では真剣に歌い、演奏するりゅうちぇる達の姿があり、どんな心持ちで聞けばいいのかわからない（笑）。活発に動く様はりゅうちぇる本人に通じるものがあるが、あくまでそこは氣志團である。

MCでは自らを「ちぇるちぇる團です」と言いながら「出オチです。もういいでしょ」「毎年間違い始めてるけど大丈夫？」「出てきてみんなにあんまり受け入れられてないことがわかった」など、自虐的な展開に。一方で「ちぇるちぇるランドではなく、ちぇるちぇるシーから来ました」と、トレーナーに英語で刺繍された「TOKYO CHELL CHELL SEA」がモニターに映し出されるなど、しっかりと手の込んだ準備をしてきている。


トークも乗ってきたところでスタッフから「次曲にお願いします」とカンペが出されてしまい、「喧嘩上等」へ。月9の主題歌になり2番目に売れたと自ら称するこの曲に対して、「あれ？　思ったよりウケてなくない？」「この曲ウケなかったら僕たちもうだめ」と再び自虐的な展開へ。舞台上でメンバーが集まり、「もっと新しい曲を」と「喧嘩上等2016」のタイトルコール。耳にしたことがあるその曲は、ゴールデンボンバーのヒット曲「女々しくて」のメロディーに乗せた「かかってこい、かかってこい、かかってこい、喧嘩上等～」という歌い始め（振り付けも）の「雄々しくて」。ところどころで「女々しくて」を彷彿とさせるパロディ曲だ。

最後の曲となったのはHYDEが中島美嘉に提供し、セルフカバーも行っている「GLAMOROUS SKY」。VAMPS主宰のイベントということもあり、HYDEファンが多い会場はこれまでの“悪フザケ”がなかったかのように沸き、メンバーも真剣。しかし姿はりゅうちぇる。2年目から3回連続で出場している彼らは今年もエンターテイメントに溢れていた。

SPECIAL PERFORMERとモニターに映し出され、5番目のアクターとなるのはSilent Siren。今年、横浜アリーナ公演も果たし、本イベントへは3回目の出演となる4人組ガールズバンドだ。映画『ズートピア』にそれぞれが扮し、見た目はキュートでポップだが、芯が通ったボーカルと、安定感のあるメロディーラインの演奏で「八月の夜」を披露する。

次の曲「DanceMusiQ」は彼女達には珍しいEDMサウンド。前奏では話題のPPAPをミックスし、しっかりと“旬”も抑える。3曲目、アップテンポの「チェリボム」では振り付けを観客に煽り、会場のボルテージを高め、メインアクトとなるVAMPSに繋げた。





やまだひさしのMCで場をつなぐもほどなくして流れたのは映画『STAR WARS』のテーマ。花道の先頭に現れたのは真っ赤なライトセーバーで戦うダース・モールに扮したK.A.Z。STAR WARSのキャラクターに扮したメンバーが次々とモニターに映し出され、紹介されていく。

映画ではジェダイと戦う帝国の皇帝ダース・シディアスに扮するJIN、カイロ・レンに扮するARIMATSU、帝国の兵隊ストームトルーパーを数十人引き連れ、客席の間を闊歩しながら現れたJu-ken。そのまま花道に登り、正面に座する絢爛な人物に跪く。その人物こそ、女王アミダラに扮したHYDEだった。ここで会場が今日一番の歓声に包まれた。

そのまま1曲目「DAMNED」。ハロウィンの夜にふさわしい重低音の楽器に乗せて、玉座に座りながら憂いのある表情で歌い上げるHYDEの妖艶な声が響き渡る。間を置かず2曲目「HALLOWEEN PARTY -DEATH METAL-」へ。名前に冠した通りのメタルサウンドに、HYDEがデスボイスのシャウトを乗せ、ハロウィンの夜を色濃くしていく。

サイレンとシンセサイザーの音に包まれ、拡声器を持ったHYDE。青い火柱が上がる中、次なる曲は最新シングル「INSIDE OF ME feat. Chris Motionless of Motionless In White」。コーラスに合わせ観客から上がる「INSIDE OF ME」の声で会場が一つになり、そのまま観客による「Bang on,stomp everybody」の声と共に始まる「REVOLUTION II」へ。たっぷりとした前奏が次第に.軽快なテンポを帯び、観客の体も自然に動きを増してボルテージが高まる。

囁くような歌い出しから徐々に加速する「DEVIL SIDE」では、赤い光を発しながら黒いマント姿で戦うダンサーを舞台に残し、ストームトルーパーを引き連れて会場内を巡る。その光景は、さながら大名行列を彷彿とさせた。曲の終わりと共に「ハッピーハロウィン！」と、この日初となるMCへ。

「宇宙の彼方からやってきました。みんなのおかげで戦いが終わりました」（HYDE）と仮装の設定通りのトークに笑いが起こり、「今日もみんなすごく素敵な仮装をしてくれて、クオリティーが高すぎて選ぶのが大変になってきました」と先述のハロウィン・コレクションを振り返る。

「（選ぶのに）時間かけちゃ、かかっちゃ」と噛んでしまい、照れ笑いをしながら「かかっちゃうのよ」と女王キャラを出すHYDEに会場からは「かわいいー」の声。しかし「聞こえなかった」とそれでは許さず、1度目よりはるかに大きな「かわいいー！」に満足する。

「最後にふさわしい曲を」と、ピアノ・バイオリン・アルペジオのギターで幻想的な雰囲気に包まれながら、ファルセットを乗せる「SWEET DREAMS」。この日のVAMPSの演目が終わった。

最後のアクトとなるのはHALLOWEEN JUNKY ORCHESTRA。メンバーには携帯電話キャリアのCMの“鬼ちゃん”扮する明希（シド）、映画『アリス・イン・ワンダーランド』のマッドハッターに扮する淳士（SIAM SHADE、BULL ZEICHEN 88）、コミック『鬼灯の冷徹』の鬼灯に扮する逹瑯（MUCC）。ゲーム『刀剣乱舞』の鶴丸国永に扮するYUKI（Rayflower、DUSTAR-3）、映画『ズートピア』のニックに扮する分島花音が加わった。

「Penalty Waltz」の指揮を振るのはHYDE。その指揮棒に合わせ、演奏を止められなかった奏者にはDAIGOがCO2ガスを浴びせる。いたずらっぽく笑うHYDEの餌食になったのはタンバリンを叩く藤森（RADIO FISH）と綾小路 翔（氣志團）だった。

「HALLOWEEN曲当てQUIZ」は全員参加のクイズ大会。今回は、弾くのが難しいとされるロシアの楽器テルミンを使ってHYDEが奏でる曲をメンバーが当てるというもの。敗者の罰ゲームとして初戦はDAIGOと達瑯がX JAPANの「X」を歌い、第2戦ではSilent Siren山内あいな(Ba)とRADIO FISH 藤森が箱の中身当てゲームでタコに触れる。第3戦ではDAIGOと分島花音が 再びX JAPANの「X」を歌い、その最中、「喉が壊れた」（DAIGO）という悲鳴にHYDEが助っ人参戦すると会場が一斉に沸き、全員で「エーックス！」とXジャンプ。

ラストMCではDAIGOの大きな羽が付いた天使の仮装に対して「真横にならないと（後ろの人に）被るよね。若干K.A.Z君が影になってるもんね」（HYDE）や、「（中指を立てるK.A.Zに対して）中指いただきました」とDAIGOなど、笑いに包まれつつ出演者紹介を終え、「歌わないとイタズラするよ」（HYDE）と「HALLOWEEN PARTY」を合唱し、大盛況の中、幕張2日目の幕を下ろした。


≪セットリスト≫
■DAIGO
1. BUTTERFLY
2. 無限∞REBIRTH
3. K S K

■RADIO FISH
1. GOLDEN TOWER
2. ULTRA TIGER
3. NKT34
4. PERFECT HUMAN

■茉莉花（THE ROAD TO HALLOWEEN PARTY 2016 幕張 第2位）
1. かぞえうた
2. My self
3. ありがとう ごめんね

■氣志團
1. One Night Carnival
2. 恋人
3. 喧嘩上等
4. 雄々しくて
5. GLAMAROUS SKY

■Silent Siren（SPECIAL PERFORMER）
1. 八月の夜
2. DanceMusiQ
3. チェリボム

■VAMPS
1. DAMNED
2. HALLOWEEN PARTY - DEATH METAL-
3. INSIDE OF ME feat. Chris Motionless of Motionless In White
4. REVOLUTION II
5. DEVIL SIDE
6. SWEET DREAMS

■HALLOWEEN JUNKY ORCHESTRA
1. Penalty Waltz
2. HALLOWEEN曲当てQUIZ
3. HALLOWEEN PARTY

＜HALLOWEEN JUNKY ORCHESTRA＞
明希（シド） / VAMPS / 氣志團 / Silent Siren / 淳士（SIAM SHADE, BULL ZEICHEN 88） / DAIGO / 逹瑯（MUCC） / YUKI（Rayflower、DUSTAR-3） / RADIO FISH / 分島花音 / 茉莉花

MC：やまだひさし

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