椎名林檎が所属するバンド・東京事変のドラマー刄田綴色こと畑利樹が、10日に公務執行妨害で逮捕された事件が波紋を呼んでいる。出演予定のテレビ番組をすべてキャンセルした上、23日に発売予定だったシングルが発売延期になったほか、20日よりオンエアされる資生堂CMも、BGMがドラム抜きのピアノバージョンに急きょ差し替えられた。

「所属のレコード会社(EMIミュージック)としては非常に頭の痛い事態でしょう。椎名林檎本人のメディア露出とCD発売を合わせた大キャンペーンをいざ行おうとした際に、よもやの事件発生ですから。CMクライアントに対する賠償責任も生じますし、その金銭的な損害は計りしれません」(別のレコード会社関係者)

 椎名林檎といえば固定ファンを多く抱え、Jポップ界でも安定した人気を誇っているミュージシャンの一人。もっとも、デビュー直後の大ブレイクぶりを振り返れば、やや地味になった印象は否めない。前述の関係者は「レコード会社としてはソロに専念してほしいのが本音では」と話す。

「東京事変は音楽通からは高い評価を得ていますが、作品がマニアックで、一般層への浸透ぶりは今一つ。

そこで今回、椎名林檎本人をCMなどで前面に押し出してソロに近いプロモーションを展開したのに、事件が起きてしまった。ソロでやったほうが売れますから、東京事変の立場はさらに厳しくなるでしょうね」

 他にも、ミュージシャンの不祥事は起きている。14日にはRABBITの元ギタリストの野下俊哉が強制わいせつ容疑で逮捕された。技巧派ギタリストとしてハードロックやメタル好きには名の知られた存在であったが、彼は一昨年にも同じ容疑で逮捕されており、復活の道は厳しそうだ。

「芸能界ほどではないですが、音楽界はもともと不祥事を起こした人間に対して寛容でした。2~3年もすれば復活するのが一般的でしたが、ミュージシャンの岡村靖幸のように何度も捕まるようなケースだと、いくら才能があっても、どのレコード会社も手を出そうとしません。

特に外資系のレコード会社はコンプライアンス重視の方針を打ち出しており、不祥事即クビというケースも増えてきました」(マネジメント関係者)

 東京事変の場合、メンバーチェンジをしないままバンド活動を続けるというが、これまでのように伸び伸びと活動できるかどうかは不透明だ。
(文=辻道明)



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