トム ブラウン ニューヨーク(THOM BROWNE. NEW YORK)が2016春夏コレクションで、ついにジャポニズムのカードを切った。和室をしつらえた会場内には白い砂利が敷き詰められ、畳のランウェイの上を歩くのは、白塗りにサングラスをかけ足袋と下駄を履いたモデル達。


定番クロップドパンツを合わせたクラッシックな3ピースやチェスターコートなど、テーラードアイテムをまるでキャンパスのように用いて描いたのは、着物などに描かれているトラディショナルな和柄。フジヤマ(富士山)、サムライ(侍)、コイ(鯉)、キク(菊)、サクラ(桜)……。柄に用いたのは、ピンストライプやヘリンボーン、千鳥格子などの柄に色無地の生地。配色の妙とシルクやリネン、ウールやコットンなどの素材感を見事に生かし、とてもパッチワークとは思えないほど繊細に表現した。

ネイビーとグレーを軸とするカラー展開、随所に散りばめられたシグネチャーのトリコロールリボンなど、トムワールドは健在。ややノスタルジックな全体感に芸者風モデルのユーモラスな感じと、アーティザナルなクオリティの絶妙なバランスが秀逸なコレクションだ。