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チャラいとモーレツにならない〈「モーレツ宇宙海賊」佐藤竜雄監督インタビュー前編〉

2012年2月7日 11時00分

佐藤監督の監督デビュー作は、1995年の「飛べ!イサミ」。翌年放送を開始した「機動戦艦ナデシコ」は、劇場版も制作されるほどの大ヒット作になりました。佐藤監督は、文芸面の役職も兼任することが多く、「モーレツ宇宙海賊」では、監督の他にシリーズ構成、脚本を兼任しています。

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90年代を代表する名作SFアニメ「機動戦艦ナデシコ」の佐藤竜雄監督が、久々に手がける本格スペースオペラ「モーレツ宇宙海賊」。キャッチーで個性的なキャラクターたち。本格的でイマジネーションあふれるSF設定。そしてなにより、可愛いけど凛々しいヒロイン加藤茉莉香の成長していく姿が魅力的な作品です。
地上波では、先日放送された第5話のラスト。普通の女子高生だった茉莉香が、父親の跡を継ぎ、宇宙海賊船・弁天丸の船長になることを決意。“宇宙海賊・加藤茉莉香”の物語が、ようやく本格的にスタートします。そこで佐藤監督に、この作品との出会いから今後の展開まで、お話を伺いました。前後編のインタビュー、まずは前編です。

――第5話で、ついに茉莉香が宇宙海賊になることを決意しましたね。
佐藤 ようやくですね。5話まで見て「宇宙海賊じゃねえじゃないか!」と思った人は多いと思うんですけど。でも、笹本(祐一)さんの原作(『ミニスカ宇宙海賊』)も、1巻は、まだ海賊じゃないですからね(笑)。
――5話までは、プロローグといったイメージですか?
佐藤 理由として一番大きいのは、茉莉香が海賊になる決意をしっかり描きたかったんです。それがないと、「周りに言われたので船長になりました」みたいにチャラくなっちゃうので。ふわふわと雰囲気だけで海賊船の船長になったように見られてしまうと、この先、全然突っ走る感が出せない。「モーレツ」にならないんですよ。海賊の船長になってからは、さらにいろんな人たちが出てきて、茉莉香の周りに集まってくるのですが、その説得力がなくなるんです。
――最初に、茉莉香というヒロインを、しっかり描きたかったということですね。
佐藤 そうですね。最初は3話くらいに詰めようかな、とも思ったんですけど。どうしても(決断が)軽く見えちゃって。最近のアニメは、基本テンポ良くやらないといけないし、冒険ではありました。ただ、僕自身としては、元々はテンポの早いアニメをやってたんですよね。逆に、ここ10年くらい、チェンジオブペースって、どういう風にやれば良いのかなと考えることが多いです。
――同じ佐藤監督のスペースオペラでも、「機動戦艦ナデシコ」の序盤は、非常にハイテンポな展開でした。
佐藤 「ナデシコ」を知っている方は、1話で発進から戦闘まで行くと思っていたでしょうね。今回は、その5倍かけてます(笑)。
――多くの「ナデシコ」ファンが、佐藤監督の新たなスペースオペラを楽しみにしていたと思います。

関連写真

「アクエリオンEVOL」の総監督を務める河森正治さんがデザインしたオデット二世。茉莉香が所属する白凰女学院ヨット部が所持する宇宙船で、この時代では珍しい帆船タイプ。「河森さんには、真ん中に長いシャフトがあって、その周りに船室があるような感じで、というコンセプトを伝えました。あと、この船のブリッジは、進行方向じゃなく、シャフトに対して垂直に向いてるんです」(佐藤監督)

オデット二世での初航海から帰還した茉莉香は、母親の梨理香に「宇宙海賊に私、なります」と宣言。かつて自分も「ブラスター・リリカ」と呼ばれる宇宙海賊だった母は、「長生きするんだよ」と微笑みます。この母娘の関係性も今作の見どころ。甲斐田裕子さん演じる梨理香は、茉莉香以上のカッコイイ女性です!

ライター情報

丸本大輔

1974年生まれ。フリーライター。スポーツ選手や小説&漫画の著者へのインタビュー記事中心に活動を開始。しかし、いつの間にか、アニメ、イラスト系の雑誌&書籍、アニメDVDのブックレットなどが活動の中心に。好きな監督は、ヨハン・クライフ、サー・アレックス・ファーガソン、佐藤順一。
ツイッター/@maru_working

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