ぶっちゃけモテたい。
でもモテたことなんてほとんどないよ。
どうすればいい?
「モテるためには道を聞け!」
……えっ?

『モテるマンガ』は、どうやったらモテるのかを、心理学の見地から解説したギャグマンガ。
タイトルストレートだな! 描いているのは『マンガで分かる心療内科』シリーズで有名なゆうきゆう・ソウ。

先日、愛人探しマンガもエキレビで紹介しました。
愛人になりそうな女の見つけ方。ボンクラの夢を叶える『フリンジマン』
でも不倫とか愛人より、そもそもモテない。それどころじゃない。
異性と話せない。
モテるためにどうすりゃいいの、っていうのは太古の昔からの問いですが、そんなの公式があったら苦労しない。

この「モテたい」気持ちを、心理学をベースに切っていきます。

例えば「恋愛は金で考えろ」理論。
100円のリンゴは1円では買えません。
10万円の女の子は1円では買えません。


買えないよ! っていうかだめだよそれは!!
しかし「ある女の子と付き合える幸せが10万円以上の価値があると感がられるのなら、同じように10万円分の喜びを与えなければいけない」というのは納得できます。
これが社会的交換理論

「自分から何も与えずただ漠然と、いい女とつきあいたいと願うのは、万引きと一緒だ!」
ま、全くでございます。
「そのままのお前は愛されない!」
「人間は自分を磨き、飾り、成長していくことがなければ、仕事でも恋愛でも、誰にも受け入れられることはないんだ! 世界を変えたければまず自分が変われ!」
全くです!(テンション上がってきた)

さて、最初にあげた「モテるためには道を聞け」
これも心理学的な考え方によるアドバイスの一つです。
知らない人に話しかけるというのは、コミュニケーション苦手な人には吐いてしまいそうなほど緊張する行為。

しかし「道を聞く」というのはよくあること。仮に無視されても、友人や片思いの相手に無視されるより傷つかない。
次に、人は「誰かの役に立ちたい」という思いがあるもの。だから意外と道を聞いたら教えてくれる。教えた側も「いいことしちゃった」と快感になれる。win-winです。

そして、実際町に出て人に話しかけることで、思った以上に好みの異性がいることに気付かされます。
悩んでいた時に狭かった視野が広くなる。「人間とコミュニケーションを取る面白さ」を知ることが出来る。

描かれているテーマは、異性にどう思われるかよりも一歩前。
人とのコミュニケーションの取り方の部分です。
「ただしイケメンに限る」と諦めることなく、「予選落ちしない」人との交流術。

こういう服を着ろとか、こういう言葉をかけろとか、そういうテクじゃない。異性に限らず、周囲の人に対して、全てに適用できることばかりです。
だって「毎日服を着替え毎日風呂に入り三食歯磨きをしろ!」とかがスタートラインのマンガですから。
でも意外とこれって、気を抜くと出来ないのよね。
あっ、だからモテないのか!
ギャグ漫画ながらも、結構鋭い指摘の多い作品なので、モテたい人は読もう。表紙恥ずかしいけど。



ゆうきゆう・ソウ 『モテるマンガ』

(たまごまご)