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女の子を誘って見に行こう。媚薬いらずの官能映画「ブラック・スワン」

2011年5月12日 10時00分 ライター情報:米光一成

映画「ブラック・スワン」:第83回アカデミー賞主演女優賞受賞、第63回ゴールデン・グローブ賞主演女優賞受賞。全国ロードショー公開中!

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ホラー映画好きの男子は気になる女子を誘って「ブラック・スワン」行くがいいよ。
「えええー、バレエ映画なんでしょー」とか言ってるボンクラくん、間違ってます。
ホラーです、サイコスリラーです。そして言葉の真の意味での官能映画です。
観てる途中で感じやすくなっちゃってびくーっってしてポップコーンひっくり返したもん(ごめんなさい劇場)。

アカデミー賞主演女優賞受賞したナタリー・ポートマン演じるニナはバレエダンサー。白鳥の湖のプリマドンナに選ばれ、純潔なホワイトスワンと邪悪なブラックスワンの二役を演じる。
だが、邪悪なブラックが全然踊れない。
「もっと強く、官能的に、リアルに! 情熱的に! 誘惑しろ!」
プリマドンナとしてのプレッシャー、うまく踊れない絶望と焦燥。
自由奔放な黒鳥になれないニナがじょじょに精神を壊していってぎゃーーーっていうホラーなのだ。

監督は、「π」「レクイエム・フォー・ア・ドリーム」「レスラー」のダーレン・アロノフスキー。
ホラー的不安は最初からガンガンくる。足になじませるためにハサミでトウシューズのそこをガシガシやるアップ。揺れるカメラ。ドッペルゲンガー的に登場するキャラクター。母の部屋の不気味な絵の目が一瞬動く演出。鏡の中の自分が! 背中の傷。爪の逆剥けをはがそうとしたらべりべりーーーって! ぎゃーーー。
背中の傷は眠ってる間の自傷行為らしく、母親が「またやったのね」と、ニナの爪を切る。
母親はニナを過保護的に抑圧しているらしいことが、その前のシーンでわかってるのでこちらは気がきではない。
いやいや、自分で切って。その爪きる音をジャキンジャキンって強烈に響かせるのやめて。こわいこわいこわい。もう半分目をつぶってます。「自分でできるからママプリーズ」と涙眼でニナも言ってるから、じゃきん! ぎゃーー!
そもそもこの歪んだ母子関係もホラー映画定番のモチーフだ。「ブレインデッド」とか「キャリー」とか。
ってもニナが自分で爪を切っても油断できない。鏡に映るニナの顔が瞬時に悪の顔になってぎゃーーー。ナタリー・ポートマンの顔芸のすごさは絶品。最初は始終いまにも泣きそうな不安を抱えた顔なんだが、これが中盤から狂気と不安と美と悪が入り混じり、くるくる入れ替わる顔芸。デビュー作「レオン」では素直な魅力でキュートさを振りまいていた女の子は、完璧な女優になっておられた。
濃厚なレズシーン、自慰シーンなど、エロシーンも満載だ。

ライター情報

米光一成

ゲーム作家/ライター/デジタルハリウッド大学客員教授。代表作「ぷよぷよ」「BAROQUE」「想像と言葉」等。

URL:Twitter:@yonemitsu

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