宮本幸裕「これは……作画したら2020年ぐらいにまでかかりそうだなと思いました」
(パンフレットより)
全くです。虚淵玄は、これやりたかったんだろうなーというシーン、ばっちり動きまくりでした。


『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』が26日から公開されています。
もう見た人は、おそらく誰かに言いたくて悶絶していることでしょう。
まだ見ていない人は、ネタバレが怖くてゾクゾクしていることでしょう。
『[新編]』に関しては、『まどか』に興味のある人はすぐ見に行け、と言いたい。
今回は、見た人にはうなづいていただけるようにしつつ、見ていない人の背中を押したいと思います。
だって、早く観てもらいたいもの、早くみんなで話したくて仕方ないんだもの。


・復習はしておこう
完全新作ですが、復習は必須です。
キャラをわかってればいい、とかではなく、物語の流れと作りをおさえておくレベルまで復習必須です。一度通して見ていれば大丈夫です。
一応何も知らずに見ても、雰囲気は楽しいです。なのでここはホントなら「知らなくても見に行けますよ」と言いたいところなんです。
でも! 今までの構成を知っていることでさらに楽しめる仕掛けがわざとたくさん仕込んであります。
詳しければ詳しいほど、より楽しめるんです。
ひとまず、以前の総集編の[前編][後編]を見ておけば十分。
というかTV版よりそちらの方がいいです。理由はまあ、映画を見ればわかります。色々と。
物語の展開については、TV版か前後編を見ていないとわからないところだらけです。

もっとも映像として、それを差っ引いても面白いんです。ですが、復習しているのとしていないのでは、天と地の差。見え方の根幹が変わってしまう。
あまりにももったいないので、流れをなんとなく、だけでもいい! 少しだけ復習してから、行ってください。
あそことかあそことか……台詞やガジェット等、劇場版ならではの部分が、何十倍にも楽しく見えるはずです。

・ネタバレは華麗にかわそう。

もうすでにネット上では見た人のネタバレが飛び交っています。
今回ばかりは言わせてもらおう、何も見るな!
映画のネタバレって、別にそれをしても問題ない場合もあるし、特に気にしないよーという人もいると思うので、非常に扱いが難しいのですが、この『叛逆の物語』は事前情報は極力避けて行ったほうがベスト。
まっさらな状態で見る事で、出てくるキャラクター達と同じ立ち位置になれる作りだからです。
劇場のマナー告知でもネタバレ禁止を注意していたのにはちょっと笑いました。

そうそう、マナー告知映像は、西尾維新による書きおろし。
虚淵「西尾さんがみずから絵コンテまで切っていらっしゃると聞いて、びっくりしました。」
(中略)
西尾「マナー告知短編映像が頭に残って感動できなかったとお叱りを受けるのも怖いので、ギリギリのラインに抑えようと意識しました」
(ニュータイプ11月号より)
映画開始前もお楽しみに。
スタッフロール後も最後まで見逃さぬよう。
余談ですが、そういえば初めて公式で「マドマギ」って言葉を使っていましたね。ちなみに多くのスタッフや新房昭之は普段は『まどか』とよんでいます。
テレビから時間たって、「まどマギ」が浸透してますものね。

・できれば誰かと見に行って
この映画、複数人で見に行くことを強くおすすめします。
なぜなら見終わった後話したくて仕方なくなるからです。

あるいは集中するため一人で見に行った人は、誰かしら話せる相手をひっ捕まえましょう。
思わず勢いで、Twitterやフェイスブックでネタバレ流してしまうと、まだ見ていない人からすっごい怒られることまちがいなし。
一人で見に行く場合は、見終わった後に思わず書いてしまわないようにほんと注意してください。書いちゃいそうになるんだよこの映画はー。
逆にネタバレを見てしまった場合、苛立ってソウルジェムを濁らせることなく、さらっと見なかったふりをしましょう。まどかの気持ちになりましょう。

・オススメなパンフレット
限定版のパンフレットを、コレクションとしてもオススメします。
切り抜き絵本のような表紙になっていて、そこに数多くの、ガーリーなガジェットが散りばめられています。
今までのまどか本編も、劇団イヌカレーによるファンシーとグロテスクの狭間のような描写が魅力的でした。劇場版はさらに、スクリーンで見るのを意識して、画面隅までぎっちり盛り込まれています。
パンフレットを見るだけでそれが反芻されるので、是非手にとって欲しいところ。
中身もインタビューや劇団イヌカレーアートワークス、数多くの設定が盛りだくさん。
シール貼ってあるので大丈夫だとおもいますが、間違っても映画前にパンフを開けてはいけません。
新房総監督と虚淵玄のインタビューには重大なネタがやまほど入っています。

・映画館で見る意義
どうしようかな、ブルーレイ待ちでいいかな、という人がいるのなら、背中を押します。劇場に行くべき。
この映画は、真っ暗な遮断された空間で、一つのスクリーンをじっと見つめるのを強く意識して作られています。
どの映画でもそれは言えることではあるんですが、特に今回は「空間にいること」に意味があるのです。
なので、もしできるのなら、劇場でなんとかして見てください。見終わった後にわかっていただけるはず。
また、これは見た人みんな同じ意見だと思うのですが、二回見ましょう。
一回目と二回目で見え方が、全然違います。
そういう作りの映画に、あえてしているんです。
くそー、やられたな、悔しいな。楽しいな。

TV版で終わったじゃん、もうこれ以上やることないじゃん、なんて思っていたのですが、こうですか、そうなりますか。
美術的にもやり尽くしただろうと思ったけど、予想外の方向から出してくるものですね。
いろいろ書いてはいますが、「いいから早く見に行けって、学校も仕事も休んで遠征で見に行っちゃえって!」と本気で思ってますからね。
もちろん突っ込みどころゼロとは言いませんし、手放しで褒めるつもりもないです。
基礎知識ありの状態で見ないといけませんし、見る人によっては肌に全く合わない作品です。
でも、映像も、物語も、ファンサービスも、想像を余裕で超えてくる作品。この映像体験を映画館でしないで、BD出た時に「映画で見ておけば……」となってほしくない。

最後に一言。
自分のお目当てキャラがいると、楽しさ増す作りになっていると思います。
映画らしいサービス・エンタテイメントは盛りだくさんなので、そこはご安心を。
もちろん、キュゥべえさん目当ても、いいと思いますよ。いいと思います。


『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編] 始まりの物語/[後編] 永遠の物語【通常版】』
ハノカゲ 『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編]叛逆の物語 (1)』

(たまごまご)