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今夜金曜ロードSHOW「黙れ小僧!」宮崎駿とジブリの転換点だった「もののけ姫」

2014年7月4日 09時00分

ライター情報:たまごまご

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『もののけ姫』は宮崎駿とスタジオジブリの、大きな転換点だった。声優、映画へのスタンス、後継者問題……ジブリがどう変わろうとしていたのか、この映画に思いが秘められています。

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「『もののけ姫』以降の宮崎作品は、以前に比べてわかりにくくなっているように思える。(中略)後期作品の異様さは才能の枯渇どころか、むしろ宮崎の過剰すぎる才能がついに全開し始めたことの表れなのだ」
『宮崎駿ワールド大研究』山川賢一 2013)

今夜金曜ロードショーの『もののけ姫』、ぼくは公開時、劇場で1日3回連続で見た。
その時の感想は「すげえ! けどよくわからない!」。
『天空の城ラピュタ』などの雰囲気と、あまりにも違いすぎる。

『もののけ姫』以後の作品はいまいちよくわからない、という声をネットでよく見かける。
具体的に宮崎駿とスタジオジブリはこの作品を境に、どう変化したのか追ってみよう。

1・職業声優起用の激減
「黙れ小僧!」が印象的な、モロの君を演じているのは美輪明宏。イノシシの乙事主は森繁久彌。演じている面々がモンスター級だ。
それまでの声優以外の演者では、『となりのトトロ』の糸井重里演じるお父さん役が印象的。
『紅の豚』では森山周一郎や大塚明夫など、メインは声優経験の深い人でかためつつ、加藤登紀子や桂三枝など、肩書が声優ではない面々が増えた。

『もののけ姫』では、石田ゆり子、田中裕子、小林薫、西村雅彦、上條恒彦、森光子……と、ほとんどが俳優・女優だ。
以降、メインキャラクターにはほとんど声優は起用されていない。
新作映画が出るたびに、声優を使わないのはありなのかナシなのか、ネット上で議論が交わされた。

宮崎駿が望んでいたのは、人間が会話するときのぞんざいな自然さと存在感。
『風立ちぬ』では堀越二郎役を、究極の素人演技で庵野秀明が演じ、人間味の強いキャラを作り上げた。
『もののけ姫』はこの結論に至るための助走だったようにすら、今は思える。

2・明快なエンタテイメントから、作家性の噴出へ
庵野秀明「(マンガ版『風の谷のナウシカ』では)共生を否定しましたね。自分達が生き残るためにナウシカは血で汚れて、よかったです。忌み嫌っていた巨神兵の火で破壊しなければいけない業の深さ。これがいいんですよ(笑)。もう、いつわりのない宮崎駿のポリシーが出ていて(中略)同じことをやってくれるように『もののけ姫』では期待している。」
「スキゾ・エヴァンゲリオン」 1997)

『風の谷のナウシカ』のマンガが終わったのが1994年。
モデルグラフィックス誌に連載していた『宮崎駿の雑想ノート』が90年まで。94年『ナウシカ』執筆終了直後から、『妄想ノート』に掲載された『ハンスの帰還』を執筆。

ライター情報

たまごまご

フリーライター。「ねとらぼ」「このマンガがすごい!WEB」などで執筆中。ひたすらに、様々な女の子の出てくるマンガを収集し続けています。

URL:たまごまごごはん

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