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「ハイスコアガール」著作権侵害問題を考える(C)マークは実は重要ではないのか

2014年8月7日 09時00分 ライター情報:青柳美帆子
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『ハイスコアガール』が著作権を侵害しているとして、SNKプレイモアがスクウェア・エニックスを刑事告訴するという騒動が起こっている。いろいろややこしく難しい著作権法。その中で(C)マルシーマークはどんな役割をはたしているのか?

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90年代の懐かしゲームが実名で登場する、アーケードゲームに夢中になった少年と少女の青春を描いた漫画『ハイスコアガール』(押切蓮介著)。コミックスは5巻まで発売されており、2012年「ブロスコミックアワード」大賞や2013年「このマンガがすごい!」オトコ編2位なども受賞している。アニメ化も決定していた。
そんな人気作に、大きな問題が起こっていたことが、8月6日に発表された。SNKプレイモアが、『ハイスコアガール』出版元のスクウェア・エニックスを刑事告訴したのだという。
告訴の趣旨は「著作権侵害」。『ハイスコアガール』が「当社(SNKプレイモア)の許諾を受けることなく、当社が著作権を有する多数のゲームプログラムのキャラクターを複製使用」していたとして訴え出たのである。

『ハイスコアガール』はレトロゲームネタやレトロゲームのゲーム画面などが話と密接に関わっている。SNKブランドの「ザ・キング・オブ・ファイターズ(KOF)」や「サムライスピリッツ」は90年代に大ヒットしていたのもあって、何度も登場している。
コミックスの巻末には、登場したゲームの開発元の名前が(C)(本来はマルの中にCが入っている)という著作権表示付きで記載されていた。そのため、読者は「許可は取っているのだろう」と考えていた。
しかし実際は、許可は取られていなかった。カプコン、セガ、バンダイナムコゲームスの3社の許諾は少なくとも受けていたようだが、SNKプレイモアからは許諾を得ていなかったのだ。
SNKプレイモアは、単行本・電子書籍・雑誌などの販売の即時停止を要求。「(スク・エニ側から)なんら誠意ある対応がなされませんでした」として刑事告訴に至ったと、公式サイトで発表している
これを受けて、スク・エニは『ハイスコアガール』の単行本自主回収、電子書籍版の配信中止を決定(連載中止やアニメ化中止はないとしている)。ただし、SNKプレイモア側とスク・エニ側では主張が一致しておらず、今後の発表を待つ形になるだろう。

基本的に、日本のコンテンツホルダー(出版社・新聞社・テレビ局・映画会社など)は、著作権について大きく争わない方針を取っている。著作権は現行の法では「親告罪」であり、著作権者が訴え出ないかぎり罪には問われない。訴え出ない理由は、いわばもちつもたれつの関係にあるからだ。加えて、著作権法では「引用」も認められている。正当な範囲内であれば、他人の著作物を利用していい。

ライター情報

青柳美帆子

フリーライター。1990年(平成2年)生まれ。オタクカルチャー・イベントレポ・明るいエロス・少女革命ウテナなどを中心に執筆しています。

URL:青柳美帆子のまとめ

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