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傑作ドラマ「ブライズヘッドふたたび」を観るべし。絶対後悔するぞ

2015年3月18日 10時50分

ライター情報:杉江松恋

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『ブライヅヘッドふたたび 』イーヴリン ウォー 吉田 健一 (翻訳)/ちくま文庫)

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もしあなたが、3月19日(木)までに自宅のパソコンないしはスマートホンでドラマを2時間観られる環境があるとしたら。
そして、終わった途端に忘れてしまうようなものではなく、いつまでも心に残る物語を求めているとしたら。
ぜひインターネット上の動画配信サービスGYAO!で観てもらいたい作品がある。
マイケル・リンゼイ=ホッグ/チャールズ・スターリッジ監督、ジェレミー・アイアンズ主演のドラマ『ブライズヘッドふたたび』だ。
このドラマはイギリス・グラナダTVで製作され、本国では1981年10月から12月まで、11回にわたって放映された。日本のTV局でも流されたことがあり、そのときの邦題は「華麗なる貴族」である。いや、わからないでもないが、なんというタイトルだ。
その第1話が、3月19日(木)まで無料配信中なのである!(以降は随時更新)

このドラマを観たほうがいい人をもう少しリストアップしてみる。

・単発のものよりも長大なドラマが好きで、特に一族の盛衰といった年代記形式のものは必ず観るという人

・滅びゆく英国貴族文化に関心があり、その美しい邸宅や荘園などの景色も見てみたいと思っている人

・オクスフォード&ケンブリッジという名門校を舞台にした作品、特に学寮生活を送る若者たちを主人公にした作品がお気に入りな人

・1920〜1930年代、つまり2つの世界大戦間という文化の繚乱期を扱った作品をよく読んだり観たりするという人(いわゆる黄金期探偵小説ファンもここに入るのでは)

そして
・青年同士の友情物語が何よりも好きという人
だ。

本作は英国作家イーヴリン・ウォーが1945年に発表した『ブライヅヘッドふたたび』(吉田健一訳。小野寺健訳もあり、そちらのタイトルは『回想のブライズヘッド』)の忠実なドラマ化作品だ。脚本を執筆したのはミステリー作家としても名高いジョン・モーティマー。『告発者』などの邦訳がある。

物語は、第二次世界大戦に従軍した〈私〉こと画家のチャールズ・ライダー(役:ジェレミー・アイアンズ)が、新しい駐屯地にやってくる場面から始まる。提供された邸宅は、前景に湖が見え、カソリックの礼拝堂を併設した広壮なものだった。〈私〉はその場所、ブライズヘッドをよく知っていた。なぜならばかつて、親しく訪れた場所だったからである。
ここで時間は一気に遡り、1924年まで時計の針は戻される。当時のチャールズは、オクスフォード大学のカレッジに入学したばかりの若者だった。

ライター情報

杉江松恋

1968年生まれ。小説書評と東方Projectに命を賭けるフリーライター。あちこちに連載しています。

URL:Twitter:@from41tohomania

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