朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第19週「1992-1993」

第91回〈3月10日(木)放送 作:藤本有紀、演出:松岡一史〉

朝ドラ『カムカムエヴリバディ』ひなたの駅前留学「I write a letter」 に安子を思い出す
写真提供/NHK

※本文にネタバレを含みます

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五十嵐、どうなった?

サニーサイドアップ(目玉焼き)のアップからはじまって、朝ドラは両国相撲部屋の物語『ひらり』(92年度後期)に。そして93年正月、ついに大月家のテレビが新しくなった。前年のクリスマス、商店街には深津絵里のレジェンドCMの曲・山下達郎「クリスマスイブ」がかかって、赤いマフラーをした深津絵里がテレビを値切っていた。

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桃太郎(青木柚)の「〜〜記念日」ナレーションがますます饒舌になっていくなか、「いよいよ時代劇存続の危機や」と榊原(平埜生成)ひなた(川栄李奈)にお化け屋敷を超える新企画を期待する。

『カムカム』のキーワードのひとつ「時代劇」。ひなたは虚無蔵(松重豊)に「なんで私に託したんですか? 時代劇を救うってどういうことですか?」と訊ねるが、「黙って鍛錬し、いつくるともわからない日に備えよ」と「謎に謎を重ねられて」しまう。

朝ドラ『カムカムエヴリバディ』ひなたの駅前留学「I write a letter」 に安子を思い出す
写真提供/NHK

と、ここでいよいよ『カムカム』のキーワードのもうひとつ「英語」の話が戻ってきた。おかえり、英語。ひなたは外国人客を呼び込むため(今で言うインバウンド)、英語でガイドをはじめようと考える。が、不景気でガイドを雇う予算がない。悩んでいると、るい(深津絵里)が外国人観光客(演じているネイサン・ベリーは『カムカム』の英語指導を担当している)と英語をペラペラ話していた。深津絵里、英語の発音がきれい。

子ひなた時代、ひなたが英語を一瞬習おうとしたときから17年、ラジオ英語講座を聞いていたらしゃべることができるようになったとさらりと言うるい。まさに「黙って鍛錬し、いつくるともわからない日に備えよ」である。るいは17年間鍛錬していたことになるだろう。

ひなたも黙って鍛錬しようと英語のマンツーマンレッスンに通いはじめる。そこで使ったお金は結婚資金にと貯金していたものだった。言及されていないが、五十嵐は本当にもういなくなってしまったのだろうか。『あさイチ』でも五十嵐はどうなったのかと話題になっていた。筆者としては錠一郎(オダギリジョー)の話を聞いて考え直してほしいと願っていたのだが……。冒頭の<ひとりきりのクリスマスイブ♪>は深津絵里CMのオマージュであると同時に、ひなたの状況を表していたのかもしれない。

その後どうなったか何も語られないまま話が進むのは、安子(上白石萌音)とるいの別れのパターン。英会話レッスンで「I write a letter」とやっていたのは、安子の「May I write a letter to you?」が思い浮かぶ。このモチーフの繰り返しも鍛錬のひとつであろうか。


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