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戦争反対と言わず実利で動くのが良い「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」

2015年11月9日 17時00分
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『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』ウェブサイトからキャプチャ

昨年35周年を迎えた「機動戦士ガンダム」シリーズの最新作となるアニメ『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』について、ライター・編集者の飯田一史さんとSF・文芸評論家の藤田直哉さんが語り合います。

地に足の着いたエグい展開に期待!


藤田 今回のガンダムは『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『心が叫びたがってるんだ。』の長井龍雪と岡田麿里が、監督・シリーズ構成でまたタッグを組んでいるのですが、それらとは全然テイストが違いますね。いきなり、重くて残酷な内容。

飯田 1話めの冒頭から、主人公の三日月が誰かを銃で撃ち殺してるカット。

藤田 三日月の、殺し方の躊躇なさ、無感情さは、意図的に描いていることは間違いない。あの性格設定は面白いです。あっさり人を殺しちゃう。

飯田 日曜の夕方に流すアニメであの「人を殺すのに躊躇しない」性格のままずーっといくことはないと思うんだけどね。

藤田 三日月の心の殻が破れたり……そういう、交流によって人格が変わる展開はありそうですね。今は、メインヒロインのお姫様クーデリアの方が色々と変化していますが、逆もそのうち起きるのでしょうね。お姫様を、親父が、政治的な理由で殺させてしまおうとするっていう出だしも、なかなかエグい。

飯田 ファーストガンダムも1話目でフラウ・ボウの母親が死んだりしてるけどね。
 主人公の兄貴分であるオルガと三日月の鉄壁の友情演出も伏線だと思う。それがぐちゃぐちゃに崩れて対立して殺し合う展開がはやく見たい。

藤田 そんな、虚淵脚本みたいな展開になるのかなぁ?

飯田 5話の脚本が『さくら荘のペットな彼女』の鴨志田一氏だったんだけど(今回設定考証でも入っている。なお『さくら荘』アニメの脚本を岡田磨理がやっていた)、鴨志田さんも岡田磨理もエグい展開大好きな人たちだから。表向き仲良くやっている連中がだんだんとお互い腹に抱えているものをぶつけていったり、夢破れていくさまを描いて泣かす人たちなんだよ!

オルフェンズは左傾エンタメである!?


藤田 序盤で、社会構造や設定、心の機微などを丁寧にやっていますよね。主人公たち非正規雇用の人間が蜂起してCGSという警備会社を乗っ取って新たに「鉄華団」をつくるようなエピソードを序盤でやりますよね。『GATE』を「右傾エンタメ」だと断言したぼくは、言わなければなりません。『鉄血のオルフェンズ』は、「左傾エンタメ」だとw

飯田 左傾エンタメ???

藤田 火星で格差に喘ぎ、搾取されている労働者たちが、お姫様の力を借りて革命を起こす話でしょう?w 左傾エンタメですよw 乗っ取った会社の収支計算をちゃんとやっている描写があるのも面白かったですが。
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