
親しみやすいキャラクターではあるものの、本質的には完全に“高嶺の花”でしかない本田。そんな彼女が、「独身・童貞・38歳」の三重苦が揃った富岡ゆうじ(有田哲平)へ恋する羽田梓を演じている。
このシチュエーションを待っていた。生き霊となって富岡へ乗り移り、彼女にグイグイ迫られたい。なにしろ、ネット上では「エロ可愛すぎる」「ありがとうございます」という賛辞が、本田に与えられているのだ。楽しみにしないでどうする!? と、声を大にして私は言いたい。
とは言っても、羽田の態度はあからさまじゃない。“好き好き光線”を放出するというより、恋愛感情がこぼれ落ちてしまう……という表現のほうが適当だろう。
第2話においても、羽田の美味しいシーンは続出した。
第2話あらすじ
「お前は一年以内に頭がおかしくなって死ぬ」と書かれた脅迫状を送りつけてきた犯人を探す富岡は、情報を握っていると思わしきホームレス(光石研)を自宅へ連れて帰った。……が、追手の借金取りが家主不在の富岡宅へ乗り込み、ホームレスに殴る蹴るの暴行を加えてしまう。
仕事から帰宅した富岡は、288万6280円の借金が払えないと殺されてしまうホームレスを救うため、貯金をおろして借金を肩代わりする。
ただでさえ夜勤明けの富岡は、すったもんだで疲労困憊に。そして帰宅直前、隣人・羽田との会話中に部屋の前で眠りに落ちてしまった。富岡に好意を持つ羽田は、富岡をおんぶして部屋のベッドに寝かせてあげている。
その日の夜、夜間警備員である富岡は職場のホームセンターへ脅迫状が届けられるのを待ち伏せる。するとそこに羽田が訪れ、2人して富岡とともにダンボール内で犯人が現れるのを待ち伏せ。そして、遂に犯人が登場! なんと、それはおとなしそうな青年であった……。
滑舌が、“変人”の個性付けに一役買う
滑舌があまり良くない本田翼であるが、けだるい彼女の台詞回しが変人「羽田梓」の個性付けに一役買っている。
羽田は変人だ。生まれて初めて心ときめいた異性はトランプのジョーカーで、見た目がジョーカーに瓜二つである富岡(38歳童貞)に一目惚れしてしまう。
眠りに落ちた富岡をベッドに運んだ際は、完全にイッた表情で寝顔を凝視するし、ベッドサイドで「超絶カッコいい!」「目がくらむほどカッコいい!」と悶絶してるし、遂には富岡が寝てる隙にキスしちゃおうとする。馬乗りになって唇を奪おうとした刹那、ホームレスが部屋へ戻ってきて成し遂げられなかったものの、視聴者のハートは完全にレッドゾーンだ。書いてるだけで、筆者も胸が熱くなってきた。
ところで、ホームレスはなぜ戻ってきたのだろう? 曰く「恩返しがしたかった」らしい。
この勝手な読みに、大ショックを受ける羽田。しかし、それでも「この世界にたくさんの愛が溢れている」「性別を超えた愛を」「なんなら、生き物としてのジャンルすら超えてやる!」と意気込む一途さが、愛らしいじゃないか。
有田、俺と代われ
トラブル続きの富岡を隣室から見守る羽田は愛らしいが、その見守り方が問題ある。コップを壁に押し当て、聞き耳を立てて、それじゃ完全に盗聴だ。
でも、だからこそ、ホームレスに代わり借金を返済しようとする富岡に気付くことができた。修羅場を後にし、銀行へ向かう富岡に対し「手の甲、震えてるじゃないですか……!」と、心配が止まらない彼女の顔つきと言ったら。
大金を手に戻ってきた富岡に対し、遂に羽田は怒声を上げてしまった。
羽田 私は責めているのではなく、心配しているんです。
富岡 どうしてですか?
羽田 どうしてって……、とにかく心配なんです!
神様に願うほど友人を欲していた富岡が、災難に疲れ「友達が欲しいなんて望み、もう捨てます」とつぶやくと、「富岡さんは友達が欲しいんですか? それは、女性もありですか……?」と、距離を縮めたくてたまらない羽田。
夜になると、富岡が警備するホームセンターへ乗り込む羽田。脅迫状犯人の出現を待つ富岡がダンボールへ入ろうとするや「あっ、ちょっ、待って。
ダンボール内では「ギャル好き?」「おっぱいは?」と立て続けに質問を投げ、富岡がゲイではないと知るやニヤつきが止まらなくなる羽田。しまいには、どさくさ紛れに富岡の肩にこっそり頭を乗せようとするし。
SNS上で「アリペイと代わりたい」というツイートを目撃したが、同意でしかない。アリペイ、俺と代われ!
羽田の変人っぷりのクライマックスを、本田翼に演じてもらいたい
今回のこのドラマは、原作の漫画にできるだけ忠実にストーリーをなぞっている。ということは、この先もグッと来る展開が連発されるに違いない。
初回記事でも述べたが、ドラマ版で本田翼に是非とも再現していただきたい一場面がある。富岡が警備する職場へ行き、2人以外誰もいない空間に感動した羽田は、羽目をはずしてとんでもない行動をとってしまうのだ。「羽田梓」の変人っぷりが最高潮に達したくだりである。
もしこれを本田翼が演じたならば、快挙! それだけで、私はご飯何杯でも食べられるだろう。
(寺西ジャジューカ)