今注目のアプリ、書籍をレビュー

0

「日本の小説は海外で相手にされてない」清涼院流水の小説英訳プロジェクト「The BBB」

2013年2月20日 11時00分 ライター情報:青柳美帆子

清涼院流水(左)と杉江松恋(右)。Biri-Biri酒場のイベント「清涼院が動いた!新プロジェクト〈BBB〉とは何か?」には蘇部健一や積木鏡介も登壇。2004年以降音沙汰のなかった積木は、壇上で「こんなに大勢の前で話すのは学生時代以来…」と照れていた。

[拡大写真]

2012年、アメリカのミステリー界でもっとも権威があるエドガー賞に、東野圭吾の『容疑者Xの献身』がノミネートされた。実はこの賞、2004年も桐野夏生の『OUT』も名前が挙がっている。どちらも受賞は逃したものの、「なーんだ、日本のミステリ、スゴイんじゃん?」などとウキウキしていた。
そのウキウキを全否定するミステリ作家がいる。
「日本の小説は、海外では通用しないんですよ!」
「ド ン !」と付けたいくらいの台詞を言ったのは、清涼院流水だ。
流水といえば、『コズミック』でメフィスト賞を受賞し、現役大学生で華麗にデビュー。「1200個の密室で1200人が死ぬ」という凄まじい筋書きで、ミステリ界の話題をあらゆる意味でさらっていった。西尾維新や舞城王太郎も流水に大きな影響を受けている。流水は自らの書く話を「小説」ではなく「大説」と称するくらいで、スケールの大きさは日本の推理作家の中でもぶっちぎりだ。
流水は「前代未聞」「一番」「初めて」という言葉が大好きなんじゃないだろうか。一時期は講談社ノベルスの最厚が『カーニバル・デイ』、最薄が『秘密屋 赤』と、どちらも流水。講談社BOXの大河ノベル(十二ヶ月連続刊行)も、西尾維新とともに唯一成し遂げた作家だ。

そんな流水が、また新しく始めたことがある。「The BBB」(以下、BBB)。Breakthrough Bandwagon Booksの略で、意味は「時代の閉塞感を一点突破する先頭集団を志す本たち」。日本の作家の小説を英訳し、電子書籍の形で輸出するプロジェクトだ。
BBBで流水が果たす役割は、執筆者でもあり、編集者でもあり、翻訳者でもある。ミステリ作家として小説を書くのはもちろん、ミステリ作家に声をかけ小説を執筆してもらうのも、その小説を訳すのも流水だ。英訳チームは流水だけではなく、英文校正企業を使ったり、さまざまなネイティブスタッフがいるものの、最終的には流水がすべて監修している。
2/8にBiri-Biri酒場で行われたイベント「清涼院が動いた!新プロジェクト〈BBB〉とは何か?」は、杉江松恋と参加者がBBBについて流水に話を聞いていくというものだった。

流水が「日本の小説は通用しない」なんて言っている。どういうことなんだー!?と目を丸くしたところで、ぜんぜん逆のことを言いたいんだとわかった。
「日本の小説って、すごく質が高い。『シャマラン・ショック』って呼んでるんだけど、シャマラン監督の『シックス・センス』を観たとき、僕はすごく衝撃を受けたんですよ。

ライター情報

青柳美帆子

フリーライター。1990年(平成2年)生まれ。オタクカルチャー・イベントレポ・明るいエロス・少女革命ウテナなどを中心に執筆しています。

URL:青柳美帆子のまとめ

コメントするニャ!
※絵文字使えないニャ!

注目の商品