海へと伸びる桟橋に寄り添って座る二人。彼の手を両手で愛おしそうに握る彼女。

撮影の合間にイチャつく手越。今回のNEWSは何か違う……。

NEWSニューシングル「恋を知らない君へ」


7月13日にNEWSのニューシングル『恋を知らない君へ』がリリースされた。
毎週土曜よる放送のドラマ「時をかける少女」(日本テレビ系)のエンディングテーマで、スローテンポのラブバラード。
“ひと夏の究極にせつない恋”がテーマで、元気なNEWSを封印して、手越祐也のやさしくて伸びやかなソロパートからはじまる。

桟橋で手をつなぐ高校生のカップルと、遠浅の海辺に立つ4人。上を見上げたり、寝そべって手をつないだり、バラードらしくゆっくりとシーンが変わっていく。
時折、悲しい表情を浮かべる増田貴久。桟橋に立ち遠くを見渡すでもなく、うつむきがちに歌う小山慶一郎。
「淡いような瑞々しさと、一方で大人の少し苦しい苦みみたいな、そういった部分が混ざったような…」
メイキングビデオで、楽曲の世界観をこう言い表した加藤シゲアキ。

「友達のままだったら傷つかなかったのに……」大人になっても思い出す青春時代の恋愛。当時の純粋な気持ちや葛藤、後悔。過去のことだけに、もう涙は流さないけれど胸を締めつけられるような痛みを感じている。
アラサーのNEWSだからこそ歌える楽曲だろう。

海なのに海じゃない…みどころたっぷりMusic Clip&メイキング


桟橋に座る4人。遠くには高校生カップルがじゃれあう姿。水面に太陽の光が反射し……ない。そこに広がるのは無数の洋服。

海岸でのロケではなく、たくさんの洋服を使って再現した洋服の海。インディゴの濃いブルーからストーンウォッシュの淡い色など、数えきれないほどの布をグラデーションさせて遠浅の海を表現している。

海に立ち尽くしたり、寝そべったりして物思いに耽るメンバー。横になって彼女の手を握るシーンでは、しっかりと繋ぎなおす手にキュンとしたり、離した手を見て切なくなったり……。横になりながら見ていたら、かなりリアルだった。

ソロシーンにはそれぞれSIDE STORYが設定されている。例えば、増田は「恋の正義」=自己中心的な想いで相手を傷つけていたことがベースにある。一度は気持ちの整理をつけたはずなのに、思い出しては後悔する。
そんなエピソードを踏まえて見ると、初めて見た時よりもより切なくなった。

メイキングビデオで一つ気になったシーンがある。
手越「俺がもし仮にさ、俺のまま女に生まれてたらさ、絶対つき合ってるでしょ?」
小山「告ってる、ちゃんと計画立てて告ってる!」

撮影の合間に、ふざけながらイチャイチャしている手越と小山。
リハーサル中も小山の手を引いて、海に向かって走る二人。監督から説明を受けている最中も密着して座る。しかも小山の手を両手でにぎる手越。微笑ましいけれど、急接近したのは楽曲のせいか、それとも……。

1曲をとことん楽しむ仕掛け


今回のシングルは、初回スペシャルBOX(2CD+2DVD)と初回盤、通常盤の3タイプ。初回盤にはMusic Clip、スペシャルBOXにはメイキングビデオも付属する。と、ここまではいつもの展開だが、新たな特典がついてくる。

シングル(初回スペシャルパッケージを除く)を購入すると、先着順で応募IDがもらえる。特設サイトにアクセスすれば『朗読−恋を知らない君へ−』のストリーミング配信を聴くことができる。

これはNEWSのメンバーが歌詞をリレー形式で朗読したもので、ひとり一人の感情のこもった朗読が聴ける上に、歌詞とは違うストーリーが展開する。7月17日までの限定配信という期限つき。それすらも儚い恋のようでニクイ。

楽曲を聴いてMusic Clipとメイキングを観て、朗読を聴く――1曲を色んな角度から堪能したのは初めて。バラードだけにダンスは観られないけれど、変わりに新たな音楽の楽しみ方を教えてもらった。そうきましたか!NEWS。
(柚月裕実)
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