メインステージから、バックステージから、メンバーたちが現れる。それぞれがメインスクリーンに大きく映し出される。最後にスポットライトが当たるのは──生駒里奈。
花道の真ん中にひとりで立つ生駒の目は、きらきら潤んでいる。その生駒めがけて、メンバーが花道を駆けてくる。
「昨日の755、見ましたか?」
耳元で声がする。一緒に来た横の乃木坂ファン(西野七瀬推し)だ。
見た見た。13枚目のシングルで初めて3列目になった生駒は、こう言っていた。
「明日まで、センターやらせて下さい。明後日からはまた新しい場所で自分を高めていきます!」
生駒は、神宮のセンターに立っていた。
「神宮! 行けますか! 集大成、見せつけようぜー!」

乃木坂らしさってなんだろう?
今回のツアーのテーマは「乃木坂らしさ」。
ツアー千秋楽の冒頭では、キャプテン・桜井玲香の映像が流れた。
「乃木坂らしさとは何か、自分たちの理想と戦ってきた。私たちは、結成からずっといっぱいっぱいだった」
「自信がなかった。でも、今回のツアーでは、トラブルがあっても、全員でひとつひとつクリアしている。だからこそ、ここで言いたいことがある。勝ちたい。勝って今日を入り口に、グループの扉を開きたい」
彼女たちは「乃木坂らしさ」という言葉を口にする。
乃木坂らしさって、なんなんだろう?
秋元康による歌の世界
「太陽ノック」「ガールズルール」「夏のFree&Easy」とシングル表題曲で盛り上げれば、「羽根の記憶」「魚たちのLOVE SONG」でしっとりした空気になる。