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SMAP“ラスト”シングル「Otherside」に見える独立への決意と解散の危険性

2016年1月15日 10時00分

ライター情報:大山くまお

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SMAPの分裂・解散騒動で日本中が揺れている。所属するジャニーズ事務所側はこの件について「協議・交渉」がなされている事実を認めており、今後の推移が注目される。

すでに多くの報道がなされているが、騒動の発端となったのは昨年1月に「週刊文春」で行われたメリー喜多川副社長のインタビュー記事。このとき、メリー喜多川副社長とSMAPを国民的アイドルに育てたマネージャーの飯島三智氏との間の軋轢が表面化し、昨夏頃にはSMAPのメンバーとともに独立する決意を固めたのだという。

ここで注目したいのが、昨年9月に発売されたSMAPの現時点での“ラスト”シングル「Otherside」(作詞:Leo今井、作曲:MIYABI)である。歪んだギターとアップテンポなリズム、縦横にかけめぐるホーンセクションが印象的なファンキーロックだ。
『バンド臨終図巻』速水健朗 、円堂都司昭、栗原裕一郎、大山くまお、成松哲/河出書房新社

筆者は以前、『バンド臨終図巻』(速水健朗、円堂都司昭、栗原裕一郎、成松哲との共著、河出書房新社)という書籍で、古今東西の200に及ぶバンド、グループ、ユニットの解散について調査したことがある(5人の共著なので筆者の担当は40弱)。

バンドには「音楽性の違い」などではない、さまざまな解散の理由があると思い知らされたのだが、それとは別に個人的に気になったのが、“最後の曲に込めた解散メッセージ”である。

たとえば、先日再結成が発表されたTHE YELLOW MONKEYが解散前に発表したラストシングル「プライマル。」(01年)は、「振り切ったら飛べそうじゃん 今度は何を食べようか 卒業おめでとう」と歌う卒業ソングである。
吉川晃司と布袋寅泰によるユニットCOMPLEXのラストシングル「1990」(90年)は、「二人ならうまくやれるさ きっとやれる」と活動継続を求めるような歌詞だった(作詞は吉川)。
ぐっと遡るが、フォーク・クルセダーズのラストシングル「青年は荒野をめざす」(68年)では、「ひとりで行くんだ 幸せに背を向けて さらば恋人よ なつかしい歌よ 友よ」と歌われている(作詞は五木寛之)。これらはすべて、バンドが解散に向かっている時期に作られ、発表された曲である。

すべてのバンドが最後の曲にメッセージを込めているわけではないが、解散に向かっている際の心境が曲に反映することは大いにありうる。自ら作詞作曲を手がけていなくても、発注する主体、あるいは選択する主体はアーティスト側、マネジメント側にあるからである。

ライター情報

大山くまお

ライター。著書に『野原ひろしの名言』『野原ひろしの超名言』(双葉社)、『名言力』(ソフトバンク新書)、『中日ドラゴンズあるある』(TOブックス)など。

URL:Fire Stone and Water

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