千葉市の熊谷俊人市長が、男性保育士の活躍推進に関する問題についての意見をTwitterで述べたところ、ネット上ではこれに賛否両論の意見が飛び交っている。

男性保育士に「着替えを任せたくない」と女児の保護者が要望


千葉市は1月18日、男性保育士活躍推進プランを策定した。熊谷市長は20日、このプランの狙いをTwitterで説明。女性活躍を推進する一方、本来のダイバーシティ(多様性)を考えると男性が少ない保育現場などでは男性活躍を推進する必要があると考えているようだ。
プラン策定の背景には、女児の保護者からの「うちの子を着替えさせないで」という男性保育士への要求がまかり通ってきたことなどがあるという。




男性保育士が女児を世話することに嫌悪感を示し、“区別”を求める人の多くが女性だと言い、「今まで差別や不利益を被ってきた多くが女性側であったこともあり、女性側に男性の不利益に関してまだ意識が十分でないこと、特に性に関することについては女性側の男性への不信も根強いことも分かります」とツイートした。

さらに熊谷市長は「娘を男性保育士に着替えさせたくないと言う人は、同様に息子を女性保育士に着替えさせるべきではないわけですが、そんな人は見たことがありません。社会が考慮するに足る理由無しに性による区別をすることは差別です。女性活躍を進める中だからこそ、真剣に日本社会が議論し、乗り越えるべき課題です」と訴えた。

「区別」と「差別」についての議論


この熊谷市長の意見に反論ツイートする人も現れた。実際に小児性愛の成人男性が存在し、幼児への性犯罪率も男性の方が女性より圧倒的に高いため、保護者の要求は“差別”ではなく“区別”として認められるべきだといった意見が熊谷市長へ送られた。

これに熊谷市長は、女性の中にも小児性愛の人がいることを説明。またこうした性区別の問題は、女性・LGBT・外国人のケースと同様であるとして、「性差によるリスク・不利益の蓋然性が高く、人権や職業選択を侵害しても許容される場合を除いては現代社会では許容されませんよね」と述べた。ほかにも「密室で男性保育士だけが居るわけではありませんし、子供たちのためにこの道を選んだ男性保育士を保護者の一抹の不安のために差別することは許されません」と厳しく反論している。

Twitterで熊谷市長の意見に反対する意見として「実際に男性保育士の事件が起こっているんだし警戒したくなるのは当たり前では?」「どれだけ確率が低いとはいえ、危険性の高い男性保育士を避けたいのは当然」といったものがあり、逆に賛成派には「レアケースを取り上げて、職の選択を奪うのはやりすぎ」といった意見があげられている。

寄せられた意見を受けて1月23日、市長はFacebookで論点を整理し、「社会全体に男性・女性問わず保育士の業務に対して理解が広がるよう努力してまいります」と記した。