あるツイートをきっかけに、帝王切開を「甘え」と捉える男性への批判が巻き起こっている。

帝王切開は甘え? 残念?


ブロガーのぐうたらこさんが2017年1月18日、「妊婦の友達は手術痕があるんだけど、旦那さんが傷跡を良く思ってないらしい。『手術痕ならしかたがないけど、帝王切開で傷とか絶対ダメだからね』と言われたと聞いて涙が出そうになった。『母親のせいで帝王切開になるんじゃないよ』と言ったら『知らんし』と言われたとか」とツイート。その後「帝王切開は母親の甘えのせいとか本気で言ってる人まだいるなんて」と悔しさをにじませた。




この投稿に、多くの女性が反応。「帝王切開も立派な出産で、親子の命を守る手術なのに失礼な」「夫ならその傷ごと愛してあげてもいいと思うのに」と男性の無理解を嘆く声が多く上がっている。

過去には、「帝王切開後に医療スタッフが『残念だったね』って産婦に声かけるのほんとやめてほしい」とツイートした@tabitora1013さんのツイートも話題になっていた。このツイートに対しても共感する声も多く上がっていたことから、「帝王切開は残念」「経膣分娩の方が良い」という考えが様々なところに根付いているのかもしれない。

意外と多い帝王切開の割合


未だに「産道を通して産むのが一番良い」と信じている人も少なくないようだが、厚生労働省の『平成22年度 我が国の保健統計』によると、日本の「一般病院における帝王切開娩出術の割合」は2008年で23.3%と、およそ4~5人に1人が帝王切開での出産を選択。1984年には10%以下だったこの割合は、2008年まで右肩上がりで伸び続けている。

世界保健機関(WHO)の2008年の統計によると、帝王切開の割合はヨーロッパで約23%、南北アメリカで約35%と日本と同等かそれ以上の割合である地域が多いようだ。これに「医学的に必要のない場合に帝王切開に頼る人が多い」と世界保健機関は警告を出しているが、これはあくまで“医学的に必要のない場合”の話。帝王切開は逆子や多胎など、経膣分娩が困難な場合や出産時のトラブルなどによって母子が危険にさらされそうな場合に取られる場合がほとんど。それに対して「甘え」「残念」などというのはさすがに無理解が過ぎるかもしれない。