イギリス紙『ミラー』が、プレミアリーグ各クラブのオーナーの総資産額を推定しランキングを発表した。

 今年2月、プレミアリーグの放映権は、2016-17シーズンからの3シーズン分が最高額の約51億ポンド(約9461億円)に達したと報じられた。
さらに、同リーグに所属する全選手の平均年俸は推定229万ポンド(約4億2500万円)に達し、各クラブの補強費用や選手年俸の高騰が続いている。

 そんなプレミアリーグにおいて、“バブル”を支えるクラブオーナーの総資産ランキングが発表された。今夏の移籍市場で惜しげもなく大金を注ぎ込んだマンチェスター・Cのシェイク・マンスール王子が、総資産200億ポンド(約3兆7100億円)でトップに輝いた。2位にはチェルシーのロマン・アブラモヴィッチ氏が53億ポンド(約9800億円)で入り、トッテナムのジョー・ルイス氏が49億ポンド(約9100億円)で3位になった。

■プレミアにおけるオーナー資産ランキング・トップ5

▼5位:マイク・アシュリー(ニューカッスル)/総資産額:35億ポンド(約6500億円)

 アシュリー氏はスポーツ用品店『スポーツ・ダイレクト』をチェーン展開し、スポーツウェア産業で成功を収めた44歳のイギリス人実業家。2007年7月にニューカッスルの株の41パーセントを取得し、フレディ・シェファードに代わってニューカッスルのオーナーとなった。
しかし、ニューカッスルファンからはクラブ愛の欠如や投資に消極的な姿勢を批判されることが多い。

▼4位:スタン・クロエンケ(アーセナル)/総資産額:40億ポンド(約7400億円) 

 クロエンケ氏は68歳のアメリカ人実業家で、2008年からアーセナルの経営陣に参加している。2011年、同氏はダニー・フィッツマン氏とニーナ・ブレイスウェル・スミス女史から株を譲渡され、63パーセントの株を取得してオーナーとなった。クロエンケ氏はメディアへの露出が少なく、アーセナル・ファンの多くはオーナーの方針が曖昧だと感じているようだ。

▼3位:ジョー・ルイス(トッテナム)/総資産額:49億ポンド(約9100億円)

 ルイス氏はENIC調査会社の社長を務める78歳のイギリス人実業家で、投資会社『タヴィストック・グループ』を通して多くの業界に投資をしている。同氏は世界でも有数の資産家であり、2014年のフォーブス世界長者番付でイギリス人富豪の10位にランク入りしている。


▼2位:ロマン・アブラモヴィッチ(チェルシー)/総資産額:53億ポンド(約9800億円)

 アブラモヴィッチ氏は世界でも最も有名な大富豪の一人で、49歳のロシア人石油王。同氏は2003年に4億ポンド(約740億円)でチェルシーを買収した後、ポケットマネーで次々と選手を補強しチェルシーの黄金時代を支えた。着任当初はジョゼ・モウリーニョ監督との不仲などフロントとの対立が目立ったが、現在は良好な関係を保っているようだ。

▼1位:シェイク・マンスール・ビン・ザーイド・アル・ナヒヤーン(マンチェスター・C)/総資産額:200億ポンド(約3兆7100億円)

 シェイク・マンスール氏は投資会社アブダビ・ユナイテッド・グループの社長で、45歳のアブダビ首長国王子である。同氏は莫大な資金を投資することでクラブの大型補強を可能にし、短期間でマンチェスター・Cをヨーロッパでも有数の強豪にのし上げた。マンスール氏がオーナーに就任してから、マンチェスター・Cはプレミアリーグを2度制覇。
今夏にファイナンシャル・フェアプレーの縛りから解放された同クラブは再び大型補強を目論んでいるとみられている。

 また、同ランキングでは、マンチェスター・Uのグレイザー一族が6位、日本代表DF吉田麻也が所属するサウサンプトン・オーナーのカタリーナ・リープヘル氏が8位、日本代表FW岡崎慎司が所属するレスター・オーナーのヴィチャイ・スリヴァッダナプラバ氏が9位、リヴァプールのオーナーであるジョン・ヘンリー氏が10位に入っている。