スペイン北東部カタルーニャ州の独立問題の影響がレアル・マドリードにも及んでいるようだ。24日付のスペイン紙『エル・ムンド』が報じている。


 スペイン中央政府とカタルーニャ州政府の対立は、今月1日に同州政府が独立を問う住民投票を強行したことを機に激化。同日に行われたリーガ・エスパニョーラ第7節のバルセロナ対ラス・パルマス戦が無観客で開催されるなど、サッカー界にも大きな影響を与えている。

 今もなお政治的混乱が続く中、レアル・マドリードは29日に行われるリーガ・エスパニョーラ第10節で、カタルーニャ州に本拠地を置くジローナとのアウェイゲームを控えている。『エル・ムンド』によると、レアル・マドリードは安全面を考慮し、公式のチームバスの使用を見送るという異例の措置を取るようだ。レンタルした別のバスで試合会場に向かうことを決めたという。

 レアル・マドリードは通常、ホームかアウェイかに関わらず、クラブのエンブレムが入った公式のチームバスを使用している。
しかし、ジローナはカタルーニャ州政府のカルラス・プッチダモン首相の地元であることから、現地住民らの中央政府に対する反感が特に強い。“中央”を象徴するレアル・マドリードが標的となる可能性も否めず、同クラブは選手たちの身を守るために急きょ、別のバスをレンタルすることにしたようだ。

 なお、レアル・マドリードが公式のチームバスを使用しないのは今回が初めてのことではない。同紙によると、カンプ・ノウでのバルセロナとの“エル・クラシコ”開催時や、カタルーニャ州同様に中央政府と対立してきたバスク州を代表するクラブ、アスレティック・ビルバオとのアウェイゲームなどでも、同様の措置が取られてきたという。

 29日の試合当日には、ストライキやデモなどカタルーニャ独立問題を巡る新たな動きが出てくることも予想される。だが今シーズン、クラブ史上初の1部昇格を果たしたジローナにとっては、念願のレアル・マドリード戦である。
大きな混乱もなく、ファンが心置きなく楽しめる一戦になることを願うばかりだ。

(記事/Footmedia)