日本のカルビー社と業務提携している、韓国・ヘテ製菓が発売する「ハニーバターチップ」。昨年、同商品が韓国人の間で大流行したことについては、既報の通り。



 そんな韓国で、とある料理が“ポスト・ハニーバターチップ”として注目を集めている。その名も「麻薬とうもろこし」(麻薬コーン)だ。

 韓国版クックパッドといえる料理レシピサイト「all about food」では、ここ3カ月間の間に麻薬とうもろこしの検索数が10万1,759件まで急増。ハニーバターチップ(17万7,880件)に次いで、2位に浮上した。すでに、韓国経済新聞、京郷新聞、SBS TVなど多くの大手メディアで、その人気や調理法が紹介され始めている。

 ところで、麻薬とうもろこしとはなんなのか? その正体を突き止めるべく資料を読み漁ってみたが、なんてことはない。
とうもろこしに特製ソースを塗って焼いた料理なのだ。ただ、そのあまりのおいしさに病みつきになる韓国人が続出しており、中毒になる域に達しているため、麻薬とうもろこしと命名されているようだ。

 レシピはそれほど難しくない。

(1)下ごしらえとして、チーズパウダーを用意し、唐辛子をすりつぶしておく。また、とうもろこしも茹でて火を通す。

(2)温めたフライパンに、生クリーム100ml、バター70グラム、砂糖大さじ1杯、マヨネーズ1杯を入れ、とろみが出るまで混ぜながら、さらに加熱。


(3)とろみが出てきたらフライパンにとうもろこしを入れ、まんべんなくソースが絡まるように混ぜ合わせる。

(4)お皿に移し、チーズパウダーとすりつぶした唐辛子をふりかける。

 麻薬とうもろこしのレシピには、とうもろこしをフライパンに入れる前にはちみつに浸すパターンや、完成後にレモンをふりかけるパターンがある。若者が集まる中心地である梨泰院や弘大のカフェでも、新感覚スイーツとして人気を呼んでいるそうで、SNSでの評判を中心に“麻薬とうもろこしの名店”も、すでにちらほら定着し始めているそうだ。

 ちなみに、はちみつバージョンの麻薬とうもろこしを食べた韓国在住の日本人ライターは「う~ん、とうもろこしのハニーバターチップ味って感じですかね? っていうか、メキシカンコーンのパク……リ?」とイマイチな反応。

 麻薬とうもろこしの起源は定かではない。
ただもしかすると、品切れが続いていたハニーバターチップを手軽に食べる方法を考えた結果、麻薬とうもろこしが生まれたとも考えられる。いやはや、ハニーバターチップの呪縛おそるべしである。

 韓国人は今年も、昨年に続き、はちみつとバター味のコラボレーションに骨抜きにされるのだろうか? いずれにせよ、チーズと唐辛子の刺激的な味が加わったポスト・ハニーバターチップ=麻薬とうもろこしに、中毒者が続出する現象はしばらく続きそうだ。
(取材・文=河鐘基)