| Excite: | 太志さんは、これまで長かった髪の毛をバッサリ切り落として坊主頭になっちゃいましたね。 |
| 太志:長髪は痛みやすいし、邪魔なんですよね。僕は伸ばすかバッサリか、両極端の選択肢しかないんで、一気に五厘カットにしました。「しおり」のミュージック・ビデオには、この頭で映ってますから。 |
| Excite: | 今年一発目となるシングル『しおり』が発売になりました。この楽曲が生まれたのは、いつ頃のことですか? |
| 太志:今年の2月頃かな。昨年は、紅白歌合戦への出場を終えるまで、目の前のことで手いっぱい状態でした。なかなか先のことを考える余裕がなかったんだけど、年明けに頂いた休みの中で改めて考えることが色々とあって。そこで感じた想いを形にしていこうと決めたんです。そうやって生み出し始めた時期に、今度は声帯を壊して、一時期とはいえ唄いたくても唄えなくなってしまった。そんな無理にでも休まなければいけなかった時期に、改めてこれまでのAqua Timezの歩みを色々と振り返っていたんですよ。 |
| Excite: | 年明け後、どのようなことを思っていたんですか? |
| 太志:僕らはインディーズ・デビュー後に、いきなり環境がガラッと変わってしまうほどの支持を得ることが出来た。そこからは、自分たちでも現状を自覚や把握しきれない状態のまま、とにかく走り続けてきたんです。その姿を客観的に見てしまえば、確かに順調な道のりだったのかも知れないけど。「だからこそ、改めて自分たちの気持ちを見つめ返そう」「自分たちの足元を見つめ直し、(心に響く良い歌を作るという)本質をもっとしっかり磨き続けよう」…年明け以降、メンバーとそんな話をしながら互いの意識確認をしていたんです。そんな時期に喉を痛め、一時入院。そのとき更に、「この経験を無意味なものにはしたくない」「進み続けていく気持ちを絶対に失いたくはない」という想いから、この「しおり」が誕生しました。 |
| Excite: | みなさん、昨年までのバンドを取り巻いていた環境を、どのように捉えてます? |
| mayuko:大きな波に飲まれそうになりながらも、なんとか波に振り落とされず進んできたような、とても大きな経験を重ねた年だったと思います。だからこそ、これからは流れに乗るのではなく、自分たちでその流れを作ってコントロールしていけるようにしたいんです。 |
| 大介:そうだね。みんな昨年までは、何事にもとにかく必死に向かっていました。その経験が、良い成長の糧になってきたのは確かだから。 |
| OKP-STAR:初めてテレビに出たのが昨年1月だったのに、年末には「紅白歌合戦」でしたからね。それだけ注目を集めたのが嬉しかったのと同時に、うちらはライヴ活動を精力的に続けてこそナンボのバンド。太志も“本質”と言っていたけど、人の心に響く楽曲やライヴをしっかり届けられるように、もっともっと自分たちを磨いていかなきゃいけない。その気持ちに改めて気付かされた1年であり、それが今の目標にもなっています。 |
| TASSHI:もちろん、昨年演ってきたことに後悔はないし、その時々のベストを尽くせたと思ってる。ただ今年は、必死に現状へ食らいついていくだけではなくて、自分たちが明確な意志を持って、想いを楽曲やライヴを通して伝えてかなきゃいけない。その本質を磨いていくのが、これからの活動なんですよ。 |
| 太志:休んだことによって、改めて自分の立っている場所の確認が出来たというか。俺らは、色んな人たちの想いに支えられこの場に立ち、自分たちの意志を伝えていく術を得ることが出来ている。そうやって支えてくれてる人たちに対する責任感に、改めて気付かされたんですよ。その実感をきっかけに、自分の中からいろんな想いが溢れ出てきた。それらの想いを俺らは、今すぐ伝えきる…と言うよりも、 3年や 5年という長いスパンを通して、沸き上がってきた色んな想いをその都度形にしながら、Aqua Timezの存在意義を証明し続けていきたいと思ってる。 |
| Excite: | 決して焦ってはいない、と。 |
| 太志:焦っても、意味ないですから。世の中から観れば、「この10年で勝負する」なんて発言をすると、「そこまで続けられるのか?」「甘いよ」と言われそうだけど。僕らはまだまだ振り返るほどの歴史なんて築けてないし、これから歴史を築いていくわけだし。進む先にも、いろんな出来事が待っていると思ってる。だからこそ、 5年や10年経ったときに、「デビューしたばかりの頃は未熟だったけど、でも一番成長したバンドになったよね」と言われるような歩み方をしていきたい。Aqua Timezの存在意義を証明するのは、それくらい先のことで良いんです。そんな未来図に向け、改めてスタートを切っていく上でも、良い始まりの合図になったのが、この「しおり」なんです。 |
| Excite: | 「しおり」には、「離れてしまった恋心。でも僕はその恋物語を終わりにしたくはない。しおりを挟むということは、まだまだ僕の中で想いは続いてるんだよ」という、想い慕い続ける心が描かれています。 |
| 大介:この詩、男だったらすごくわかる切ない想いですよね。その切なさが強く胸に響くからこそ、あえて演奏では切なさとは正反対にある、弾けた開放的な世界観として描いていきました。 |
| mayuko:たとえ報われなかった恋だとしても、その想いを抱き続けることで、自分は前に進んでいける。哀しいだけじゃない、その前向きさはすごくわかります。 |
| Excite: | mayukoさん自身にも、そういう経験ありました? |
| mayuko:私もそうだし、叶わないけど、一途に想い続ける気持ちって、誰もが抱き続けてきたものなんですよね。社会に出てしまうと、色んな現実を見据えてしまうこともあるけど、ここに綴られた気持ちは男女問わず誰だって強く共感出来る想いだと、私は感じています。 |
| 太志:まさに、男の持つ女々しさが出た歌。とくに自分は、スパッと気持ちを切り換えることの出来ない性格なんですよ。捉え方を変えれば、“諦めの悪さ”になるんだけど。でもそれって、絶対に大切なことなんです。 |
| Excite: | 諦めの悪さがですか?! |
| 太志:そう。それは恋愛に限らず、夢や目標に対する気持ちでも、一緒。たとえ困難な状況の中に居ようと、「こういうところに辿り着きたい」という“執着心”があるからこそ、その物事に向かっていける。その執着心を、いかにプラスな気持ちに変え続けていけるかだと思ってる。 |
| Excite: | なるほどね。 |
| 太志:恋愛の場合、相手の気持ちも絡んでくるので、時には一方通行な想いになってしまうこともあるけど。でも、バカみたい本気で、必死で人を好きになったときの気持ちは、いくつになっても絶対に忘れることはないし、そのときの風景は、ズッと心に残っていくものじゃないですか。 |
| Excite: | 確かにそうですね。 |
| 太志:よく、「人は忘れるために努力する」というけど、「忘れようとする」ということは、まだその物語を綴った本は閉じてないんですよ。ただ“しおり”を挟んで、閉じたつもりでいるだけのこと…。 |
| Excite: | 言われてみれば、そうですね。 |
| 太志:そういう執着心は、色んな物事に対して絶対に必要なこと。俺は、たとえ「お前、ミュージシャンとして才能がないよ」と言われても、絶対に辞めることはない。何故なら、成功するしないではなく、音楽なら“たとえ何度失敗しようと、ズッと成功したいと夢を抱きながら、頑張り続けていけるもの”だから。目の前の結果がどうであれ、俺は絶対に諦めたくはない。その“執着心”や“信じた想いを求め続けていく決意”を、この「しおり」では恋愛という関係の中に描写していったんです。 |
| Excite: | この「しおり」には、“追い続ける気持ちを忘れない”という本質が描かれていたんだね。それは、2曲目に収録した「夢風船」にも繋がる想いですよね。 |
| 太志:「夢風船」は、デビューする前から演ってる楽曲なんだけど。「しおり」「夢風船」とも、“約束”や“時の流れ”が軸として描かれているように、同じ意識を持った歌なんですね。その2曲を並べたときに、俺は2年前と同じようなことで悩んでるし、悲しみを失くすことは出来ないけど、でも立ち直って前へ進もうとしてる気持ちは、昔も今もやっぱし変わってないということに気付けたんです。言ってしまえば、昔も今も似たようなことでつまづいてるということなんだけど。自分が心の中に持ってる“本質の軸”は、たかだか2〜3年で変わるものではないことを、改めて確認することが出来た。それを確かめることが出来たのも、大きかったですね。 |
| OKP-STAR:この2曲、すごく相性の良い組み合わせになったと思う。 |
| mayuko:そうだね。太志自身の気持ちは、どんなに状況が変わっても、決してブレることはないんだということを、メンバー自身としても改めて確認することが出来たし。 |
| TASSHI:「しおり」は、インパクトの強いサビに向かって、ドラマチックに楽曲が展開していく歌。対して「夢風船」は、一定のメロディをグルーヴしていくことでの気持ち良さを伝えてくれる。歌詞は共通でも、楽曲面では対照的になったのも聴きどころになってると思う。 |
| 大介:ホント、またここからいいスタートラインを切れる。そんな一枚になったからね。 |
| 太志:正直、これが全てではなく、『しおり』はまだ色々伝えたい想いの断片でしかないんです。これからの 5年や10年という歳月の中、その想いの数々をゆっくりと、でも確実に届け続けていこうと思ってる。それは、夏からスタートする全国ツアーにしても、そう。 1本 1本確実に伝えたいからこそ時間をかけて、1本ごとに成長した姿を見せながら、毎回みんなで楽しくお祭り騒ぎをしていきたいですね。 |