アリーナツアー、幕張メッセ公演の模様をお届け!
| FUKUYAMA MASAHARU WE'RE BROS. TOUR 2011 THE LIVE BANG!! | 2011.11.20(SUN) at さいたまスーパーアリーナ |
今年2月に始まり、19都市・56公演、総動員数60万人超となる自身最大規模のツアー、【FUKUYAMA MASAHARU WE’RE BROS.TOUR2011 THE LIVE BANG!!】ファイナル公演がさいたまスーパーアリーナで開催された。本公演は当初3月に予定されていたのだが、東日本大震災の影響による8ヶ月の延期の末、ようやくこの日を迎えることとなった。
1曲目はインスト「vs.~知覚と快楽の螺旋~」。暗闇の中、ステージの中央に立つ福山を赤いライトが照らし、エレキのギターソロで奏でるスリリングな旋律に2万人が集中する。やがてバンドの音が重なり、会場の熱気は瞬く間に高まっていった。「THE EDGE OF CHAOS~愛の一撃~」で明転、顔がアップで映し出されると大歓声が湧く。ステージ左右、後方、アリーナ中央に設けられた花道に、序盤から頻繁に歩み出てゆく福山。身を乗り出し、一人一人に語り掛けるような笑顔で手を振る、その飾らない姿が清々しい。
MCでは、「8ヶ月、本当に本当にお待たせしました!」とまずは挨拶。続いて、ステージ後方には今ツアーの目玉であった巨大セットを取り払って“東日本応援シート”を設け、全ての収益を被災地へ寄付するシステムを考案したこと、この日も茨城で震度5強の地震が起き予断を許さない状況だけれど、震災当初の話し合いで「今、元気な僕らは、今までやってきたことを今まで以上に元気にやる」という結論に至ったこと、などを真摯に語り、会場全体で1分間の黙祷を捧げた。
本来この公演は、福山のデビュー記念日である3月21日に開催を予定されていたもの。ベストアルバム『THE BEST BANG!!』のジャケット写真にもなっている、20歳の頃のデビュー前の宣材写真に現在の顔をオーバーラップしてみせると、会場からは「カッコいい!」という歓声が。それを受け、「さすが、男性に聞いた“なりたい顔三連覇”。……自慢です!(笑)」と冗談めかした口調で語り、大いに笑わせた。かと思えば「はつ恋」では、圧倒的な切なさで会場の空気を震わせる。天井から舞い降りる雪がピンクのライトに照らされて、ステージにポツリと立って歌う福山に降り注ぐ。その情景は美しく、幻想的だった。また、自身が案内役を務めたNHKスペシャル『ホットスポット 最後の楽園』で感じた自然への畏怖の念や、津波の被害を受けた宮城県仙台の蒲生干潟に渡り鳥が飛来したエピソードなどを交えながら、神秘的なインスト「アンモナイトの夢」を披露。物語的な映像とも連動して、独特の空気感を放っていた。そして後半、「タオルを使う時間がやって来ました!」とあおると、いよいよ興奮のるつぼへ。観客を鼓舞する「fighting pose」、妖しく身体をくねらす「HEAVEN」、サビでのタオル回しが壮観な「化身」、と怒涛の勢いで畳み掛けた。
「心 color~a song for the wonderful year~」で開放的な空気感を共有した後、本編を終え、アンコールに突入。すると、ドラえもん、のび太、しずかちゃんがゲストとして登場。2012年3月3日公開の『映画ドラえもん のび太と奇跡の島~アニマルアドベンチャー~』の主題歌を担当することが発表された。4者で写真撮影をする際、福山がしずかちゃんの肩を抱くとお客さんから冗談まじりに嫉妬の歓声が湧き起こったのも、微笑ましい場面だった。
アンコールでは、ツアーが止まっている期間に書き上げたシングル「家族になろうよ」と、デビュー曲「追憶の雨の中」を披露。“アメ”繋がりで“飴”入りの紙コップを大量に投げていたのだが、何度かのトライの後ようやく上方の座席に入ると、「やっと届いた!」と顔をほころばせていたのが印象的だった。ダブルアンコールでは、メンバーがサンバのリズムに乗って登場し、ツアーで巡った地名・会場名を挙げる「第九」の替え歌を歌って、福山を労った。これは、ファイナルならではの本人へのサプライズだったという。
ステージに一人残った福山は、「改めて、命について考えた」とこの1年を振り返り、「道標」を弾き語りした。最後はじっと眼を閉じて、余韻を味わっているように見えた。締め括りに、「エンターテインメントをやっている僕らに何ができるのか? まだ言葉にならないし、いつか言葉になるのか・歌になるのかもわからないですが、今日のこの会場に集まってくれた皆さんにそれを教えてもらうことができたと思います。ありがとうございました! 音楽を続けて行こう、という想いを新たにしました」と力強く挨拶し、ツアーの幕が下りた。「一人FNS、一人紅白歌合戦」とMCで言い表したように、バリエーション豊かな豪華・充実の全24曲と、遊び心ある演出、そして何より、ファンをとことん幸せな気持ちにすることへの“使命感”にも似た強いこだわりが隅々まで行き渡った、人間らしく温かいライヴだった。
(取材・文/大前多恵)