書店の4割が「赤字」、市場は1兆円台維持も縮小続く
若年層を中心に本を読まない「活字(書籍)離れ」に加え、インターネット書店の台頭、電子書籍の普及が進み、雑誌や漫画本が売り上げの中心を占める書店の経営は引き続き厳しい状況に置かれている。2025年度における全国の「書店市場」(事業者売上高ベース)は1兆円台を維持する見通しとなったが、ホビー売り上げなど非書籍事業の拡大による影響が大きいほか、市場規模は2015年度(約1兆4000億円)から2割縮小。
このペースが続けば、数年以内に書店市場全体で1兆円を下回る可能性がある状況に。
一方、「前年度並み」(58.9%)は過去20年で最高だったほか、「減収」(27.3%)は5年ぶりに上昇するなど、書店の売り上げは頭打ち感が強まっている。損益動向では「減益」となった割合が31.0%、「赤字」は38.7%を占め、赤字と減益を合わせた「業績悪化」書店の割合は69.7%となり、2022年度(72.3%)以来の高水準となった。
コミック売り場を集客の要とする書店では、『ONE PIECE』など定番シリーズのほか、アニメ化で大ブレイクした『葬送のフリーレン』『薬屋のひとりごと』などヒット作もあったものの、コロナ禍にみられた『鬼滅の刃』のような一大特需が生まれず、苦戦が目立つ。
また、電子書籍や読み放題サービス、ネット通販の普及なども重なり、リアル店舗で書籍を購入する機会が減少していることも、書店市場の縮小を招く要因に。
他方、書店は広い売り場を維持するための「テナント賃料」負担が重いほか、最低賃金の引き上げによる「人件費」増と、単行本の販売数量減で赤字計上を余儀なくされた書店も多かった。
こうした経営環境のなか、書店の市場退出は高水準で推移しており、2016年度以降、倒産や休廃業によって市場から退出した書店は累計610社に上った。
また、(一社)日本出版インフラセンター(東京・千代田)によると、全国の書店数は25年度末時点で9993店と1万店の大台を割り込むなど、書店市場は縮小が続いているという。
こうしたなか、大手書店を中心に書籍販売の粗利益率30%を目指す制度改革の動きも。
地域に書店が存在し続けるためには国や行政など外部からの支援とともに、従前からの「書店」の枠を超えた店舗づくりを視野に入れる時期に来ていると同社は考察している。
【調査概要】
調査対象:書籍・雑誌小売業
※業績等のデータについては、2026年6月時点における帝国データバンクが保有する企業概要ファイル(COSMOS2、約151万社収録)、および企業信用調査報告書(CCR、約200万社収録)、外部情報などを基に集計。なお、2025年度の業績数値は一部推定・予想値を含む。
<参考>
帝国データバンク『全国「書店経営」動向調査(2025年度)』

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