早めに資格を取ったことが自信につながり、「次は簿記2級やFP、行政書士の資格も取りたい」と語ります。そんな心祈さんに、簿記の勉強を始めたきっかけや勉強法について伺いました。
■興味を持ったきっかけは、近所の駄菓子屋
簿記に興味を持ったのは、心祈さんが小学2年生のとき。近所の駄菓子屋で、「なぜこんなに商品が安いんだろう」と疑問に思ったことがきっかけでした。
一緒に歩いていた心祈さんの父親が「簿記という資格を取ったら分かるよ」とささやいたことで、気になって調べるようになったと言います。
「参考書を読んでみたら、書いてある漢字が習った字ばかりでした。これならできそうと思ったんです」
そこで、まずは簿記初級の勉強を開始して、小学3年生で試験に4度挑戦しました。しかし、全て不合格。それでも、小学4年生に進級してからは、さらに難しい簿記3級にチャレンジすることに決めました。
「簿記初級や簿記3級に合格した最年少をインターネットで調べたら、私の年齢では遅いくらいだったんです。『小学4年生で簿記3級を受けないと、すごいと認めてもらえないかも』と焦って上の級を受けることに決めました」
それから勉強を重ね、簿記3級に3度挑戦。小学4年生の3月に無事合格できました。
■ギャルとして有名になりたい一心で
何度も不合格になりながらも、心祈さんが合格までたどり着けたのは、「職人ギャルモデルで頑張ってるモデルさんのように、メディアに出たい」という熱意があったからです。
「メディアに出るだけじゃなくて、憧れのギャルモデルさんとメディアに出るにはどうしたらいいかを父と相談しました。『ギャル×簿記』なら目立つし、取り上げてもらえるんじゃないかと頑張ったんです」
勉強のやる気が出ないときは、ギャル雑誌を読み返して初心を取り戻し、「資格が取れたらメディアに出演するんだ」と自分を鼓舞したと言います。
■勉強法は、父との二人三脚
一見すると華やかな受検理由ですが、その勉強法は地道です。簿記2級の資格を持つ父と一緒に、参考書と向き合う日々でした。毎日1時間は机に向かい、問題集を繰り返し解いて90点以上を目指したといいます。
小学生には想像しにくい損益計算書や前払い、貸倒、小切手といった専門用語は、テレビや動画で解説を見たほか、父親と一緒にインターネットで調べたりしました。
「父は、私のきょうだいを会社に例えて分かりやすく解説してくれました。例えば貸倒の説明だったら、私がA社、妹がB社で、取引の約束をしていたのにいじわるな性格がきっかけでお金がもらえなくなったらどうなるか、と話してくれたんです」
資格の勉強は、あくまで学校のおまけ。学校の宿題を先にやってから、簿記の勉強に手を付けたと言います。
「それでも、つい友達や家族と遊んでしまうこともありました。それに小学4年生になって『後がない!』と焦って、一生懸命勉強をしたときには、正直、少しだけ学校のテストが悪くなったときもありました」と子どもらしい笑顔を浮かべます。
■簿記はお小遣い帳に似てる
「振り返ると簿記の勉強は楽しかったです。でも、小学生にとってはやっぱり難しかったかな。知らない単語が出てくると分からなくてつらかったです」と心祈さん。
「でも、こうやって夢だったメディアに取り上げられる機会をいただいたので、その一つ一つがうれしいです。やったー!って思っています。まだ簿記3級に合格した実感はわかないけど、次も頑張ろうって気持ちになっています」
簿記に合格してからは、父母や父の職場で働く人たちから「おめでとう」とお祝いされたそう。ほかにも、「利益」など簿記で学んだ言葉がニュースに出てくると、大人と話す場面が増えたといいます。
「駄菓子屋とスーパーのお菓子の値段の違いを見て、『どれだけ利益を出したいか、店によって違いがあるんだ』と考えたり、売られている植物や家具などの商品が『あと何年楽しめるか』を想像したりするようになりました」と心祈さん。
今後は、小学5年生の夏休みに簿記2級を取ることを目標にしています。「けっこう難しいです。頼みの綱のお父さんも、忘れてる部分があって……」と不安そうですが、簿記以外にも行政書士やFPの資格を取りたいと意欲的です。
そんな心祈さんの姿を見て、妹も簿記を取ろうと勉強中です。
「簿記って、お小遣い帳に似てるんです。お小遣い帳は、私が持ってる一つの財布から出たり入ったりした記録です。簿記も同じで、お店の財布からお金が出たり入ったりした記録なんですよね」(心祈さん)
そう語る心祈さんの将来の夢はネイリスト。いつか独立したときに簿記の資格が役立ちそうです。
藤澤心祈 プロフィール
公立小学校に通う傍ら、“メディアに出たい”思いから資格取得を決意。憧れのギャルをモチベーションに、小学4年生で簿記3級を取得。夢は“人が笑顔になる仕事”を作りたいと、広い知見を持つため更なる資格取得を目指している。
この記事の執筆者:結井 ゆき江 プロフィール
フリーランスの編集者・ライター。中学受験雑誌の編集者として勤務した後に独立。小学校で発達障害グレーゾーンの児童をサポートした経験から、教育分野を中心にライターとして活動する。









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