老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、65歳まで働き、特別支給の老齢厚生年金を受け取らないまま71歳になった場合、今から請求して受け取ることができるのかについての質問です。

■Q:71歳女性です。65歳まで働いて受け取れなかった「特別支給の老齢厚生年金」は今からもらえますか?
「現在71歳の女性です。60歳で定年退職した後、再任用で65歳まで勤務し、その間も厚生年金に加入していました。65歳から老齢年金を受け取っていますが、特別支給の老齢厚生年金は受け取っていません。65歳まで働いていたため受給できなかったのだと思っています。

このような場合、特別支給の老齢厚生年金は受け取れなかったのでしょうか。また、受け取れなかった5年間の年金は、今から受け取ることができますか」(ティンカーさん)

■A:65歳まで働いていたから受け取れなかったとは限りません。未請求の場合は、時効になっていない分を受け取れる可能性があります
特別支給の老齢厚生年金は、生年月日や性別、厚生年金の加入期間などの要件を満たした人が、65歳になる前に受け取れる年金です。

ティンカーさんは現在71歳の女性とのことですので、生年月日からみると特別支給の老齢厚生年金の対象となる世代です。ただし、実際に受給権があったかどうかは、厚生年金の加入期間などを確認する必要があります。


ここで大切なのは、「65歳まで働いていたから、特別支給の老齢厚生年金を受け取れなかった」とは限らないことです。働きながらでも特別支給の老齢厚生年金を受け取ることはできます。

ただし、厚生年金に加入して働いている場合は、当時の給与や賞与、年金額によって「在職老齢年金」の仕組みで、年金の一部または全部が支給停止になっていた可能性があります。

一方、特別支給の老齢厚生年金は、受給権が発生しても自動的に振り込まれるわけではありません。自分で年金請求の手続きをする必要があります。

もしティンカーさんが、受給権があったにもかかわらず請求していなかったのであれば、今から請求できる可能性があります。

ただし、年金には5年の時効があります。請求が遅れた場合、原則として受給権が発生してから5年を過ぎた年金は、古い分から時効によって受け取れなくなります。

また、特別支給の老齢厚生年金には繰り下げ制度がないため、請求を遅らせても年金額が増えることはありません。

現在71歳のティンカーさんの場合、特別支給の老齢厚生年金について、すでに時効になっている期間がある可能性があります。

また、60歳から65歳まで働いていた期間に在職老齢年金によって支給停止されていた分は、退職後にさかのぼって受け取れるものではありません。

まずは年金事務所で、特別支給の老齢厚生年金の受給権がいつ発生していたのか、未請求だったのか、それとも在職老齢年金によって支給停止されていたのかを確認してみましょう。
そのうえで、時効になっていない年金が残っていれば、今から受け取れる可能性があります。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
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