1966年7月10日、『ウルトラマン』第1話「ウルトラ作戦第一号」の放送を翌週に控えたこの日、東京・杉並公会堂に「ウルトラ怪獣」「科学特捜隊」が結集し、 ”特撮の父” 、円谷英二もゲストで登場した記念イベント『ウルトラマン前夜祭ウルトラマン誕生』が放送された。
ウルトラマンが人々の前に初めてその姿を現したこの記念すべき日は、のちに「ウルトラマンの日」として制定され、今もなお愛され続けている。
そして、ウルトラマンシリーズ60周年を迎える2026年7月10日(金)、あの ”始まりの場所” である杉並公会堂にて、長年シリーズを支えてくださったすべてのファンへ感謝を込めた1日限りの祭典「ウルトラマンの日 in 杉並公会堂」が開催された。
「スペシャル上映会 ウルトラマン前夜祭『ウルトラマン誕生』」と「ウルトラマンティガ 30th プレミアムステージ」のオフィシャルレポートをお届けする。

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【スペシャル上映会 ウルトラマン前夜祭『ウルトラマン誕生』オフィシャルイベントレポート】
【ウルトラマンの日】ウルトラマン前夜祭&ウルトラマンティガ 30th プレミアムステージ 開催!

ステージには、『ウルトラマン』フジ・アキコ隊員役の桜井浩子、そして『ウルトラマンティガ』ヤナセ・レナ隊員役であり、『ウルトラマン』ハヤタ・シン隊員役・黒部進の実の娘でもある吉本多香美が登壇した。

ウルトラマンティガ30周年、ウルトラマン60周年という偉大な節目を迎え、吉本は「ウルトラマンがあったからこそティガがある。原点の素晴らしさを堪能したい」と熱く語り、桜井も「色々あったけれど、60年経ってこの始まりの場所(杉並公会堂)にまた戻ってこられて本当に良かった」と感慨深げに当時を振り返った。
イベントでは、1966年に放送された歴史的な番組『ウルトラマン前夜祭 ウルトラマン誕生』が上映され、当時の貴重な白黒映像を観ながら、お二人による爆笑必至のコメンタリーが繰り広げられた。当時、その舞台裏は、現代の常識からは考えられないほどの「ドタバタ劇」の連続だったと語る。

桜井いわく、劇中で流れる「ウルトラマンの歌」や「科学特捜隊のテーマ」は、出演者たちもこの場で初めて聴いたとのこと。しかも歌が2番までたっぷりと流れた。さらに、曲が終わっても一向に科特隊の出撃の合図が出ず、業を煮やした小林昭二演じるムラマツ隊長が「合図はない、もう出よう!」と声をかけ、強引にステージへ飛び出したという衝撃の事実が明かされた。

そして、いよいよウルトラマンがファンの前に初めて姿を現す最高潮のシーン。あまりのドタバタ劇と凄まじい混乱ぶりに、演出を手掛けた実相寺昭雄監督や樋口祐三監督は、「あまりにめちゃくちゃだから」という理由で自らクレジットから名前を外してしまったという、今だからこそ笑える特撮界のレジェンド裏話も飛び出した。
桜井は「こんなドタバタな映像を、60年後にこの場所で皆さんと一緒に観ることになるなんて、当時は夢にも思わなかった」と笑顔でコメントした。

映像の最後には、激しい戦いを終えた出演者全員で主題歌を大合唱。画面の中で歌詞カードを見ながら楽しそうに歌う円谷英二監督の姿に一同が感動する中、桜井が「パパ(黒部進)は全然歌ってないし、歌詞を覚えてない(笑)」というツッコミが入り、トークショーは終始アットホームな笑いに包まれた。

前夜祭のドタバタ劇を振り返りながら、桜井は「でもね、ここでウルトラマンの『絆』が深まったのかもしれない」と語った。台本通りにいかないステージの上で、しびれを切らしたムラマツ隊長が「もう出よう!」と決断し、全員がそれに迷わずついていったエピソードを挙げ、「科学特捜隊の結束が強まったのは、間違いなくこの番組のおかげ。全員がキャップについていった」と、当時のチームワークの原点を明かした。

また、初代『ウルトラマン』におけるフジ・アキコ隊員のキャラクター描写について、桜井から興味深いこだわりが語られた。当時は「男性隊員を見上げるような、か弱いヒロイン」を求められることもあったが、桜井自身が「自分でジェットビートルを運転したい!」とスタッフに直訴し、自立した強い女性像を自ら作り上げていったと語った。

この「自立する女性隊員」の系譜が、30年後の『ウルトラマンティガ』のレナ隊員へと脈々と受け継がれ、さらにその後のシリーズの進化へと繋がっていったという歴史の地続き感に、会場のファンは深く頷いていた。

吉本からは、自身が『ウルトラマンティガ』のレナ隊員役に決まった当時、父・黒部進との知られざる感動的なエピソードも披露した。もともと「芸能界の厳しさを味わわせたくない」と、吉本が女優になることを反対していたという黒部。それでも吉本はある大手企業の内定を蹴り、役者の道を志したという経緯があった。


その後、娘がレナ隊員役のオーディションを受けたものの、なかなか結果が分からず悶々としていた黒部は、桜井を通して、プロデューサーへオーディションの状況を聞いたと話す。桜井は「多香美ちゃんどうなの? 受かったの?」と尋ねると、プロデューサーからは「もうとっくに受かってるよ!」と返事が。それを聞いた黒部は、人目もはばからず大喜びの表情を見せたと桜井は語った。レジェンド俳優である黒部が、娘の吉本を想う「最高の父親の顔」の思い出に、会場は温かい感動に包まれた。

イベントのクライマックスでは、観客の呼び声に応えるように、ウルトラマンがステージに登場した。その姿は、60年前に『ウルトラマン前夜祭 ウルトラマン誕生』でここ杉並公会堂に登場した当時を連信させる、ウルトラマン(Aタイプマスク)という貴重なものだった。そして、そんなウルトラマンが当日、どうしても会場に駆けつけることができなかった黒部進から、一通の手紙を預かっていた。

【ウルトラマンの日:黒部進様よりのお手紙(桜井代読)】
「ウルトラマンシリーズ60周年」という大きな節目の日に、こうして皆さんと喜びを分かち合えることを、心から嬉しく、誇りに思います。60年という長い年月、光が途絶えることなく続いてきたのは、間違いなく、ファンの皆さんの応援のおかげです。本当にありがとう。
今日ステージにいる多香美。君が『ティガ』のヒロインに決まったと聞いたあの日のことは、今でも鮮明に覚えているよ。
親として、そして一人の役者として、厳しい現場に飛び込む君を誇らしく思う反面、少しの心配もありました。 けれど、君は立派に駆け抜けた。ヒロインとして、多くの子供たちに勇気を与えた君は、私の自慢です。 多香美、よく頑張ったね。
そして、この手紙を読んでくれているロコちゃん。今日は私の言葉を、君の美しい声で届けてくれてありがとう。60年、長かったようであっという間でしたね。科学特捜隊の皆さんはまさに苦楽を共にしたかけがえのない仲間です。フジ隊員、これからもハヤタを、そしてウルトラマンをよろしく頼みますね。
ウルトラマンたちの物語は、これからもずっと、ずっと続いていきます。時代が変わっても、私たちの物語が、皆さんと共に光り続けますように。ウルトラマンは、いつでも君たちのそばにいます。

2026年7月10日 ウルトラマン/ハヤタ・シン役 黒部 進

桜井の美しい声で紡がれる父からの愛に満ちた言葉に、吉本の目からは大粒の涙が溢れ出した。言葉を詰まらせながらも、吉本は力強く客席に向け、ファンへの感謝とこれからの未来への決意を語った。「父はハヤタでもあり、ウルトラマンでもあり、そして私の父でもあります。今は少し体が不自由になってしまい、今までのようには皆さんの前に出られないかもしれないけれど、父は今も元気に生きています! 皆様の心の中にずっとあり続けるウルトラマンの光は、永遠の存在です。これからも皆様の心の中に、ウルトラの光が輝き続けますように。そして、世代を超えてこれからも、みんなが力強く自分の人生を乗り越えて、『この人生、生まれてきて良かったな』と思えるような人生を、ウルトラマンとともに紡いでいけたら嬉しいです。本当にありがとうございました」と最後に挨拶した。

会場を埋め尽くしたファンとともに、主題歌でもある「ウルトラマンのうた」の大合唱が響き渡り、60年前の「始まりの日」と同じ熱気と、世代を超えて受け継がれる光の絆が、東京・杉並公会堂を眩いばかりに照らし出した、奇跡のようなイベントとなった。

「ウルトラマンの日 in 杉並公会堂」ウルトラマンティガ 30th プレミアムステージ
【オフィシャルイベントレポート】
【ウルトラマンの日】ウルトラマン前夜祭&ウルトラマンティガ 30th プレミアムステージ 開催!

開演を迎えると、聖地・杉並公会堂を揺るがすような地鳴りのごとき大歓声に包まれ、満を持してGUTメンバーキャスト陣が登場。映画『ウルトラマンティガ FINAL ODDSEY』以来、26年ぶりの再集結となった今回、主人公 マドカ・ダイゴ役を演じた長野博は「今日はお忙しい中、記念すべきこの日にお集まりいただきまして本当にどうもありがとうございます。短い時間ですけれども、皆さんと共に楽しい時間を過ごせたらなと思っております」と挨拶を送った。続いて、挨拶から早くも感極まったヤナセ・レナ役の吉本は歓声に包まれながら「みんなと気持ちは同じ! みんなの心の中にはいつもダイゴがいたよね! どんなにこの日を待っていたか」という思いとともに語りました」、続けて、チームを支えた副隊長ムナカタ・セイイチ役の大滝明利は「今日この4人がここに立ててるのも皆さんたちのおかげです」と感謝を述べると、隊長のイルマ・メグミ役の高樹澪は「初めての女隊長、イルマ超える人まだいないと自負しています(笑)。
すっごい正直に言いますけれど、ティガは本当にいい作品です」当時と変わらぬ作品への愛を誇らしげに語った。

26年の歳月を感じさせない長野の姿に、吉本と高樹は「全然老けない、時空を超えてる」と早速ツッコミを入れる場面をあり、当時のチームワークは健在。MCを務める声優潘めぐみさんも放送当時小学生だったことを明かし、「『Take Me Higher』しておりました!」とオタク心を爆発させ、ステージを盛り上げた。

トークセッションでは、当時の映像を見ながら、数々のエピソードが飛び出した。冬の川で長野が流されるシーンにおいて、ウェットスーツを着ずに背中に発泡スチロールを入れて撮影したことなどが語られ、長野さんから「俺の流される姿を見ろ」と語ったシーンで北浦監督がなかなかカットをかけなかったという裏話も披露された。さらに、当時「Take Me Higher」の振り付けでバク転をして怪我したことから、捻挫だと思ったら骨が折れていたという事実を明かしました。骨が折れたまま本番に挑んだという壮絶なエピソードとともに、特撮の方でもティガが腕を確かめる要素があったと細かい動作が組み込まれたことを明かした。

さらに、イベントには、『ウルトラマン』フジ・アキコ隊員役の桜井浩子さんも登場し、映画『大決戦!超ウルトラ8兄弟』での共演シーンを振り返った。実の親子である『ウルトラマン』ハヤタ・シン役の黒部進と吉本の現場でのやり取りを長野が暴露。吉本が実の父親に対して『パパ、もう少しセリフを大きくいいなよ!』と容赦ないダメ出しをぶつけていた様子を長野さんがリアルに再現すると、会場は爆笑の渦に包まれました。その後、桜井は温かい拍手を受けながら、一度ステージを後にした。

場面は第50話「もっと高く!Take Me Higher!」での印象的なダイゴがウルトラマンティガであることがわかってしまうシーンを振り返った。
自身の出演シーンにも吉本は涙を目にためた。高樹はイルマ隊長が早い段階からダイゴの正体に気づいていたという裏設定について言及。「大体第25話くらいから、ダイゴが『光』という言葉に過剰に反応するのを見て、それを見透かすような顔でお芝居をしていました」と明かし、作品の深いこだわりを語った。

最後の振り替えシーンに、最終話「輝けるものたちへ」では、ガタノゾーアに敗れて石像に戻ってしまったティガに、世界中の子供たちの光が集まり「グリッターティガ」となって蘇る奇跡のシーンを鑑賞し、30周年の総括を求められると、長野さんは「26年ぶりに集まったのに、当時と全く変わらない関係性で普通に喋れる。スタッフ含め、全員が一丸となって一つの場所に向かっていたあの頃の絆を改めて感じます」としみじみ語った。

つづいて、事前に集めた質問コーナーでは、長野へ「子供から声をかけられたら?」と聞かれると、長野は「長野博としてではなく『ダイゴだよ』って手を振るようにしていました。そうすると大抵の子供は本物が目の前にいる衝撃で固まっていましたね、トニセンのライブでも『TAKE ME HIGHER』を歌ったら、通路で子供たちが激しいウルトラマンごっこを始めて微笑ましかったです」とエピソードを語った。

高樹には「GUTSで一番の部下は?」と聞かれると「全員です!隊長は命令(出動の指示)を出すだけで、実際はみんなが必死に努力して動いてくれましたから」と話すと長野は「理想の上司がいたからこそ、従うんですよ」と完璧なフォローで答え、会場を沸かせた。

さらに、現在テレビ東京にて放送中のウルトラマンシリーズ最新作『ウルトラマンテオ」より主⼈公・光⽯イブキ役の岩崎碧が登場し、質問を投げかけた。現役大学生として教員免許の取得を目指しながら撮影に挑む岩崎さんから「役者としての心構え」を問われると、長野さんは「僕も昔、2~3年居酒屋でアルバイトをしていました。今目指しているものや、経験していることは何一つ無駄にならないので、ぜひ両立してやり遂げてほしい」と、人生相談さながらの温かいアドバイスを送った。

イベントの終盤、会場は暗転。観客が掲げたペンライトの「光」が会場を埋め尽くすと、世界中の子供たちの光を浴びて蘇った奇跡の姿、グリッターティガが舞台上に降臨した。ステージ上で長野とティガがガッチリと固い握手を交わした。固い握手を交わすと、会場のボルテージは最高潮に。長野さんは「この30年間、僕自身もファンの皆さんが灯してくれたこの光に支えられてきたんだなと実感します」と語り、大滝も「この光景を見たら、本当に胸が熱くなる」と言葉を詰まらせた。

最後は降壇していた桜井や岩崎も再びステージに並び、超豪華なラインナップへ。締めの挨拶に桜井は「「ウルトラマンの歴史がこうして未来へより高く、格好よく羽ばたいていく姿を見られて胸がいっぱいです」と挨拶。岩崎は「偉大な先輩方の背中を追いかけ、僕もテオとして歴史を繋いでいけるよう頑張ります」と今後の活躍に注目してほしいコメントを送った。続いて、高樹は「このウルトラマンのシリーズが、どんどん続いて、未来永劫、光を繋いでいくという、素晴らしい作品を世に出してくださった方々、それに力を貸してくださった方々、すべての方方に本当に感謝します。皆様、今日も来ていただいてありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いします!」とすべてに感謝の気持ちを述べた。大滝は「今日、この場に4人が立ててるのも、もう本当に、皆さんのおかげです。皆さんが、ずっとティガを想ってくれたから、ここで4人揃うことができました。ありがとうございます」。吉本は「『ウルトラマン』があったから、『ティガ』があり、今があると思います。ウルトラマンの光、心にある光は、もう永遠不滅です。世代を超えて、私たちの心にいつもこの光を感じながら、素晴らしい世の中、光の方へ、みんなで幸せになっていこう!」と明るく挨拶を述べた。

長野「この初代ウルトラマンが目に留まったこの場所、ウルトラマンが放送された日に、円谷プロさんの、僕もウルトラマンが育った光を当て続けていただいた、そしてこれからも光を当てて、ウルトラマンファミリー、ウルトラマンティガを、これからも育てていってくれたら嬉しいなと思います。よろしくお願いします。ありがとうございました!」と挨拶し、会場の盛大な拍手の中イベントは終了した。
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