夏の夜は本当につらい。特にわが家は、子どもたちの部屋と妻が寝ている寝室にエアコンがある一方、筆者が寝ている部屋にエアコンがない。
近年の猛暑は、夜になっても室温はなかなか下がらず、布団に入った瞬間から汗がにじむ。家族は涼しい部屋でぐっすり眠っている。筆者は暑さと戦う。まるで家庭内ヒエラルキーを空調設備で可視化したような状況だ。そんな筆者を救ってくれる方法がある。リビングにあるエアコンの冷気を、サーキュレーターで筆者の寝ている部屋に送り込むという作戦だ。(BCN・佐相 彰彦)

●サーキュレーターは風を送る家電ではなく空気を動かす家電
 わが家のリビングにはエアコンが設置されている。まずリビングを十分に冷やし、その冷気を隣の部屋に送り込むようサーキュレーターを配置する。サーキュレーターはリビングのエアコンに向けるのではなく、冷気が流れる方向に設置する。冷気は重い性質があるため、床付近に溜まりやすい。そこで強力な風で部屋の奥へ押し出してやるわけだ。サーキュレーターを寝室へ向けるだけで、しばらくすると部屋の空気が明らかに変わる。
ムワッとした熱気が薄れ、体感温度が大きく下がるのだ。
 扇風機とサーキュレーターは似ているようで役割が違う。扇風機は人に風を当てて涼しく感じさせる。一方、サーキュレーターは空気を循環させる。リビングから寝室に向けて設置すると、まるで空気の通り道が作られたように冷気が移動していく。
 特に効果を感じたのは部屋全体の温度ムラが少なくなったことだ。冷房の効いたリビングだけが涼しくなるのではなく、その恩恵を別室でも受けられる。エアコンが設置できない部屋や設置費用を抑えたい家庭には非常に実用的な方法だと感じた。
●実際に寝てみると快適さは想像以上
 冷気を送り始めて30分から1時間ほど経過すると、寝室の空気はかなり快適になる。もちろん、エアコンのある部屋と同じ温度になるわけではない。だが、サーキュレーターを使う場合と使わない場合で比較すると、寝苦しさは別世界だ。寝付きが格段に良くなった。
しかも部屋全体がほどよく冷やされているため、風を直接体に当て続ける必要もない。冷房が苦手な人でも使いやすいと感じる。また、冷たい空気が循環しているため、朝方に蒸し暑さで目が覚めることも減った。
 ここで改めて、わが家の状況を説明したい。子どもや妻の部屋にはエアコンがある一方で、筆者の部屋には設置されていない。もちろん、家族優先なのは当然だ。子どもたちが快適に眠れる環境は何より大切である。その考えに異論はない。不思議と悲壮感はない。なぜなら、サーキュレーターで冷気を送り込むという方法が思った以上に効果的だからだ。むしろ「エアコンを増設しなくてもここまで快適になるのか」と感心したほどである。
 エアコンがない部屋で夏を乗り切るのは簡単ではない。
しかし、エアコンのある部屋の冷気をサーキュレーターで送り込むだけで、睡眠環境は大きく改善できる。使ってみて、「冷房を増やす」のではなく「冷気を活用する」ということを実感した。間取りや部屋の広さによって効果は異なるといえるが、もしエアコンのない部屋があるなら試してみてはいかがだろうか。
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