主に小学生を対象とする小児IC運賃制度は、2022年の小田急電鉄を皮切りに、値下げやポイント還元施策が続いている。今回は、初めてデジタル版が登場する「東急線キッズパス」を中心に、夏休みの親子のおでかけに活用できる、関東エリアの鉄道事業者のお得な子ども運賃や今夏のお得なキャンペーンを紹介しよう。


●「1乗車あたり実質無料」から「1日50円」「1日100円」まで
 小児運賃の値下げが広がるなか、各社の夏休み向け施策にも注目が集まっている。今回は夏休み向け施策を打ち出した東急電鉄と京王電鉄、小児用ICカードなら1年中いつでもお得な小田急電鉄、西武鉄道の4事業者を取り上げる。
東急電鉄
 東急は、「子育て・学生応援 東急スクラムプロジェクト」の一環として、7月17日から、通常は土休日限定の「東急線キッズパス」を夏休み期間限定で毎日発売する。1日100円で東急線が乗り降り自由になるので、東急線で長距離を移動する際やスタンプラリー参加時などは特にお得だ。
 さらに今回、小児用PASMOに加え、デジタルサービス「Q SKIP」でも初めて取り扱う。子ども本人のIDで「東急線キッズパス」を本人名義のプリペイドカードで「Q SKIP」から購入した場合は子どもだけでも利用できるので(保護者アカウントで購入する場合は保護者の同行必須)、本人がコードを読み取って乗車する「Q SKIP」の使い方を理解できれば、通塾や習い事に行く際などにも1日100円の「東急線キッズパス」は利用可能だ。
名称:東急線キッズパス
発売期間:2026年7月17日~8月30日(夏休み期間・平日を含む毎日)
方式:小児用PASMO/Q SKIP(本人)/Q SKIP(保護者)※親子同行時のみ
価格:1日100円
小田急電鉄
 小田急電鉄は2022年3月12日から、小田急線の小児IC運賃を全区間一律50円に改定した。通年で展開しているので、夏休み期間に限らず、小田急線に乗車する際は、小児用PASMOや子ども用Suicaなどの小児用ICカードで乗車したほうがお得だ。
 また現在、小田急グループの小田急バスや神奈中バスも、小児用ICカードでの乗車に限り、全区間一律50円だ(深夜バスを除く)。つまり、片道100円や150円といったわずかな金額で電車とバスを乗り継いでかなり遠くまで行ける。
西武鉄道
 西武鉄道は今年3月14日から、「小児IC運賃1乗車50円均一」など、新たな小児IC運賃制度を開始した。小児向けの通勤・通学定期券も値下げし、さらに小児用PASMO限定で、1カ月1000円・3カ月2850円・6カ月5400円で西武線が乗り放題となる西武線全線フリー定期券「こども全線定期券」を新たに発売した。

 「こども全線定期券」は、1日あたりの安さはもちろん(1カ月を30日として換算すると1カ月定期は1日あたり33.3円)、カード券面に定期券区間の表示がないため、自宅の最寄り駅が他人に知られる心配がないというメリットがある。地味ながら子育て世代なら歓迎できる強みといえるだろう。
京王電鉄
 京王電鉄は、「京王トレインポイント」夏休み特別施策として、鉄道乗車ポイントサービス「京王トレインポイント」小児会員のポイント付与率を100%(1回あたりの付与上限200ポイント)とし、小児運賃が実質無料となるキャンペーンを実施する。対象期間は7月18日初電から8月31日終電まで。
 さらに、京王線沿線の一部対象施設・イベントで、二次元コードを読み取るなどの条件を満たした大人会員に100ポイント付与するキャンペーンも同時開催する。あわせて京王バスの小児運賃も、小児用ICカードに限り1乗車一律50円(深夜バス除く)となるため、沿線のレジャースポットへの訪問の際は、自家用車ではなく、電車やバスを使ったお出かけの楽しさを知ってもらいたいとしている。なお、高尾登山電鉄でも小児運賃の割引施策「夏休み高尾山へ家族でお出かけ応援キャンペーン」を実施する。
●面倒でも交通系ICカードを作ろう
 今回紹介した4社のうち、東急の「Q SKIP」以外は小児用ICカードまたは小児用PASMO限定。大人向けには「クレジットカードなどのタッチ決済」を利用した乗車に限ったキャンペーンも増えつつあるものの、小学生向けは原則、交通系ICカード限定なので、小学校に入学したら早めに交通系ICカードを作成しておこう。
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