仕事の優先順位は、「リスク」と「リターン」との兼ね合いで判断することが大切です。
リスクとは、仕事の難しさや失敗する可能性を意味しており、リターンはその仕事によって得られる成果の大きさを指しています。
リスクとリターンの関係には、次の四つのパターンがあります。
①ハイリスク・ハイリターン
②ハイリスク・ローリターン
③ローリスク・ハイリターン
④ローリスク・ローリターン
成果を出し続けている人は、どのパターンを優先していると思いますか?
多くの人が、①の「ハイリスク・ハイリターン」か、③の「ローリスク・ハイリターン」の「ハイリターン重視」に違いないと思うかもしれません。
しかし、彼らが最優先しているのは、④の「ローリスク・ローリターン」です。
トップクラスの成績を出しているビジネスパーソンを対象とした個別ヒアリング調査によって、その考え方には3つの理由があることがわかっています。
理由①
「ハイリスク・ハイリターン」を目指すと、動き出しが遅くなる
大きな成果や大成功を目指すと、時間がかかって、他の仕事まで手が回らなくなるだけでなく、慎重に進める必要があるため、一歩目の動き出しが遅くなります。彼らは、大きな危険を覚悟して大成功を目指すような大バクチは、最初から度外視して考えています。
理由②
「ローリスク・ハイリターン」を探し始めるとドロ沼にハマる
一般のビジネスパーソン約1万2000人を対象としたアンケート調査によると、約70%の人が「ローリスク・ハイリターンを目指す」と回答していますが、それはあくまで個人的な願望であり、理想の話だと思います。
現実的には、リスクが低くてリターンが大きい案件など滅多に存在しません。「ITツールを導入したら、生産性が爆上がりした」という大ラッキーが存在しないのと同じように、ローリスク・ハイリターンはビジネスパーソンの「見果てぬ夢」と考える必要があります。
それを目指したところで、巡り合う確率はほとんどなく、運よく出会って「まぐれ当たり」の特大ホームを打ったとしても、継続して成果を出し続けることはできませんから、「一発屋」で終わることが多くなります。成果を出し続けている人たちは、「ローリスク・ハイリターンを探す旅に出ると、時間を浪費するだけで、戻って来られなくなる」と話しています。
理由③
「ローリスク・ローリターン」を目指せば行動実験が可能になる
ローリスクであれば、失敗が怖くないので、初動が早くなります。
頑張っても成果が出せない人の多くは、成功を目指してハイリターンを狙うため、慎重になり、臆病になって、どうしても初速が遅くなっています。大成功ばかりを目指していると、失敗した途端に気持ちが挫けるだけでなく、自己否定に走って行動の足を止めてしまいがちです。
私の会社が実施した行動実験の追跡調査によって、興味深い結果が出ています。
一般のビジネスパーソンに、「ローリスク・ローリターン」を目指す小さな行動実験の積み重ねを実践してもらったところ、実に89%の人が「成果が出やすくなった」と回答しているのです。この結果は、「ローリスク・ローリターン」戦略を継続すれば、その効果は決して「ロー」ではないことを物語っています。
ハイリターンばかりに目を向けるのではなく、まずは成果を出すことを最優先する必要があります。
『仕事は初速が9割』(著:越川 慎司)より
<併せて読みたい>
ハイパフォーマーだけが知ってる「疲れないムダなし仕事術」
『仕事は初速が9割』
(クロスメディア・パブリッシング)
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