「納豆を食べているから、たんぱく質は十分」。そう思っている人は少なくありません。
しかし、たんぱく質は量だけでなく「質」も重要です。動物性たんぱく質を少し加えるだけで、栄養バランスはさらに高まるといいます。

今回は、『その食べ方は栄養を吸収してません』(木内麻里著、日比洋子栄養監修/青春出版社)から、納豆をより栄養価の高い一品にする食べ方を紹介します。
○「納豆+かつお節」で、たんぱく質の〝質〟がよくなる

たんぱく質は、体の土台をつくる成分で、筋肉や骨、臓器、血液、皮膚、爪、髪からホルモン、酵素まで、体のありとあらゆる部分を構成しています。約20種類のアミノ酸でできており、そのうちの9種類は体内で合成できない「必須アミノ酸」と呼ばれています。

必須アミノ酸はたんぱく質の合成に不可欠ですが、特定の必須アミノ酸だけを偏って摂取しても意味がありません。9種類の必須アミノ酸を〝バランスよく〟摂ってこそ、たんぱく質の力を発揮できるのです。

たんぱく質には、「動物性」と「植物性」があります。

動物性たんぱく質には、肉・魚・卵・乳製品があります。先に卵はアミノ酸スコアが100点満点という話をしましたが、動物性たんぱく質には、全体的に必須アミノ酸がバランスよく含まれています。

一方の植物性たんぱく質も、決して悪いわけではありません。豆腐や納豆などの大豆製品にも、いろいろな必須アミノ酸が含まれています。


お肉が苦手であまり食べない人や、ベジタリアンなど動物性食品を避ける食生活をしている人のなかには、「豆腐や納豆を食べているから大丈夫」と思っている人もいます。

しかし、植物性たんぱく質を摂っていても、動物性たんぱく質をまったく摂らない食生活では、摂取できる必須アミノ酸にやはり偏りが出てしまいます。よくいわれることではありますが、いろいろなたんぱく質食品をまんべんなく食べることによって、もっともたんぱく質の力を発揮することができるのです。

たんぱく質不足の方に、もっとたんぱく質を摂るようにお話しすると、「じゃあ、お豆腐を増やすようにします」などと言われることがあります。あまり食欲のない方や高齢の方も、どうしても植物性たんぱく質に偏る傾向があります。

しかし、アミノ酸スコアのバランスを満たすこと以前に、植物性たんぱく質のみで1日に必要なたんぱく質量を満たすのは、現実的には難しいでしょう。

そう考えると、やはりたんぱく質を摂るときは、「動物性+植物性」のセットで摂るのがおすすめです。たとえば植物性たんぱく質の納豆や豆腐には、動物性たんぱく質であるかつお節やしらす干しをかけるのもいいですね。

栄養学的には、動物性たんぱく質を食べないでいると、「ビタミンB12」が摂れないのも問題です。ビタミンB12は、赤血球の合成や血をつくる増血作用などに深くかかわっている栄養素で、不足すると貧血の原因になります。

また、ビタミンB12の活性型であるメコバラミンという成分は、神経の働きにもかかわっているため、欠乏すると手足のしびれや眼精疲労、肩こりなど、末梢神経障害を起こす可能性もあります。メコバラミンは、私もよく糖尿病性神経障害やほかの末梢神経障害の方に処方しています。


ビタミンB12は動物性たんぱく質を食べていれば摂れます。しじみやあさりなどの貝類のほか、さんまやいわしなどの青魚や牛・豚・鶏のレバーなどに、とくに多く含まれています。

お肉が大好きな高齢者に元気な方が多いのも、たんぱく質やビタミンB12の効果かもしれません。

○『その食べ方は栄養を吸収してません』(木内麻里著、日比洋子栄養監修/青春出版社)

食べたものが100%吸収されると思ったら大間違い! いくら栄養豊富なものを食べても、きちんと消化・吸収されなければ、体を「素通り」しているだけにすぎません。「卵かけごはんの白身は生で食べると残念」「ほうれん草のおひたしにはしょうゆよりもポン酢」などなど、効果的に栄養を取り入れるコツを最新栄養学をもとにお教えします。食が細くなった人、コスパよく食べたい人は必見です。
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