スティック型の「Vlogカメラ」として人気のDJI「Osmo Pocet」シリーズはスマートフォンより小型で扱いやすく、気軽に動画や写真を撮ることのできる製品です。その最新モデル、「Osmo Pocet 4P」を見にDJIの本社を訪問してきましたが、有名建築家が手掛けた巨大ビルに驚かされました。


○2本の塔がそびえ立つ巨大な「Sky City」

中国・深センの新興オフィスエリアに建つDJIの本社は、40階建てと44階建てのツインタワーが連なる「DJI Sky City」と呼ばれます。2022年に完成したこの超高層ビルは、Apple本社の設計でも知られる建築事務所「Foster+Partners」によるプロジェクトで、高さの異なる2棟が空中で組み合わされる姿は、都市の真ん中にSF的な「天空の城」が出現したかのような印象を与えてくれます。

ビルのエントランスを抜けると、目の前には樹齢百年級の黒松が植えられた庭園が広がります。外観は近代的な超高層ビルでありながら、内部に足を踏み入れた途端に自然が迎えてくれるという構成が、訪問者にちょっとした驚きを与える演出になっています。

この自然との共生は、ビル18階に設けられたスカイガーデンからも実感できます。高層ビルの一画に豊かな植栽を集めたこの庭園からは、深センの新都心エリアを一望することができます。仕事に疲れたときにここを訪れれば、視界いっぱいに広がる街の風景と緑に包まれながら、気持ちをリセットすることができるようになっています。

さらに2つのビルは「Sky Bridge」と呼ばれる空中の吊り橋で結ばれています。24階の高さに架けられたこの橋は、両棟のオフィスを行き来するルートとして日常的に使われているそうです。足元の隙間から下の地面がのぞく景色は高所が苦手な人にはかなりハードですが、空中に身を置いて仕事をする感覚をダイレクトに味わわせてくれる構造とも言えます。こうした「空」を強く意識させる仕掛けは、ドローンを主力とするDJIならではの本社デザインではないでしょうか。

さて上層階から再び1階に降りると、そこには誰もが自由に入れるDJIのギフトショップがあります。
DJIのドローンやVlogカメラなどの最新製品や周辺機器に加え、DJIグッズも多数販売されています。DJIファンの人なら深センに来たときはぜひ訪れたい場所です。

特にTシャツなど、ここでしか手に入らないオリジナルグッズも販売されています。その並べ方も小さなブティックのように丁寧で、思わず手に取って買いたくなってしまいます。デザインもDJIのプロダクトやドローンをモチーフにしたものが多く、単なるノベルティではなく、ファンならコレクションしたくなるものばかりです。

また来場者向けのラウンジも併設されています。こちらは訪問を予約したゲスト向けですが、おいしい中国茶が出迎えてくれます。DJI傘下のハッセルブラッドの写真集などもあり、アポイントまでの時間を過ごしたり、軽い打ち合わせをここで行うこともできるようです。

○巨大なフラッグシップストアで最新モデルを体験

深センには本社だけでなく、フラッグシップストアも展開されています。深セン湾エリアのOCT HarbourにあるDJIとハッセルブラッドのフラッグシップストアは、ガラスとメタルを組み合わせた特徴的な外観が遠目にも強い存在感を放ちます。DJI好きな人だけではなく、ハッセルブラッドユーザーの方もぜひ立ち寄りたい場所です。

1FはDJIストアになっており、販売中の全製品が展示されています。
スタッフの対応も良く、英語のできる方もいらっしゃいました。また中国でドローンを飛ばす場合の規制について質問してもすらすらと応えてくれるなど、ドローンのプロが集まっています。

ここにはDJIの歩みをたどることができる過去製品の展示も用意されています。DJI初期のドローンから最新モデルまでが一堂に並び、他ではなかなか目にすることのできない機体やアクセサリーを間近にできるのは大きな見どころです。「ミニ・ミュージアム」としてブランドの進化を体感できる空間になっています。

他にも産業用のドローンなど、これも普段はあまり見られない製品も展示されています。コンシューマー向けのドローンやVlogカメラメーカーという印象の強いDJIですが、実は実は農業支援やインフラ点検など社会の裏側を支える専門機材を提供するメーカーであることが、改めて実感できます。

○ハッセルブラッドの名機も展示

フラッグシップストアの2階には、ハッセルブラッドのカメラがずらりと並べられています。また写真の展示も行われており、ハッセルブラッドのショールームになっています。

現行のハッセルブラッドカメラは価格表示もあり、実際に購入することが可能です。「907X & CFV 100C」や「X2D II 100C」、そしてレンズなど、現行モデルがここには揃っています。

さらにこちらにも歴史的な名機の実機が並べられています。
1948年の「1600F」、1954年の「SWC」、ビートルズのあの横断歩道を渡る写真を撮ったことで有名な1957年の「500C」、アポロ計画で使われた1964年の「HDC」など、いずれも貴重なものが展示されています。

○デュアルカメラになったOsmo Pocket 4P

今回の本社訪問で見せていただいた、最新のVlogカメラであるOsmo Pocket 4Pも簡単に紹介します。カメラはOsmo Pocketシリーズで初めてのデュアル仕様となり、標準の広角カメラに加え、望遠も使えるようになりました。センサーは1型のCMOSで、D-Log 2記録にも対応。また17ストップのダイナミックレンジに対応します。

本体カラーはブラックに加えてホワイトが新たにラインアップされ、撮影スタイルに合わせて色を選べるようになりました。特にホワイトモデルはガジェット感がやや抑えられ、ファッションやインテリアともなじみやすいため、女性クリエイターやライフスタイル系Vlogとの相性も良さそうです。

今回のDJI本社とフラッグシップストアの訪問を通じて、ドローンやVlogカメラだけでなく、ブランド体験まで含めて「空の映像文化」をつくろうとしている企業スケールの大きさをあらためて感じることができました。Osmo Pocket 4Pの日本での発売も楽しみです。

富永彩乃+山根康宏 富永彩乃(とみなが あやの) ITジャーナリスト/自撮り端末研究家。日本や海外各国のIT事情、特に海外の最新スマートフォンやビデオコンテンツサービスに精通。海外展示会の取材も積極的にこなし、現地からライブ配信によるレポートや動画撮影・編集も自身で行っている。
スマートフォン複数台を常に使いこなし、TVやメディアへの出演も多数。 山根康宏(やまねやすひろ) 香港在住の携帯電話研究家。海外(特に中国)のスマートフォンや通信事情に精通。IoT、スマートシティー、MaaS、インダストリアルデザインなど活動の幅は広い。最新機種のみならずジャンク品から百万円のラグジュアリーモデルまであらゆる携帯電話・スマートフォンを購入する収集家でもあり、その数はまもなく1800台に達する。 この著者の記事一覧はこちら
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