北朝鮮で13、14日に朝鮮社会主義女性同盟(女性同盟)第8回大会が開かれた。女性同盟は主に主婦が加盟する団体で、5年ぶりとなる今回の大会では、思想教育の徹底と出産奨励が最大の柱として打ち出された。

「子どもを多く産み、立派に育てることは必ず解決しなければならない課題」と強調され、多産や子育てに貢献した女性を「共産主義母親栄誉賞」や「労力英雄」として表彰した実績も紹介された。

しかし、気になるのは、その子どもたちの未来である。北朝鮮は女性に「革命の未来」を担う子どもを産み育てるよう求める一方、成長した子どもには最高指導者への忠誠を最優先とする教育を施し、軍へ送り出す。そして現在は、ロシア・ウクライナ戦争への派兵という現実もあり、命の危険にさらされる可能性が指摘されている。

少子化対策は多くの国が抱える課題だ。しかし本来は、女性が自らの意思で結婚や出産、働き方を選択できる環境を整えることが基本である。北朝鮮のように、出産を国家への忠誠と結び付け、「産み、育て、思想を守れ」と役割を課す発想には、女性の自己決定権という視点がほとんど見当たらない。

「母親は多くの子どもを産み、立派に育てよ」という呼びかけは、一見すると家族を大切にする政策にも映る。しかし、その先に国家への絶対忠誠や戦争への動員が待っているのであれば、それは母親の尊厳や子どもの権利よりも国家の都合を優先する体制の表れと言えるだろう。(高英起)

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