北朝鮮当局が、韓国を「敵対国」と位置づける「敵対的二国家論」を住民に徹底させるため、地域住民への思想監視を一段と強化したことが分かった。住民組織「人民班」の会議を週1回以上開き、住民の発言や行動だけでなく、「心の中」まで把握して治安当局に報告するよう命じたという。
消息筋によると、社会安全省(警察当局)は、今年3月の憲法改正によって「敵対的二国家」路線が制度的に裏付けられたことを受け、「住民の思想にも完全に定着させる」として、今月1日から全国の人民班を対象に新たな指示を下した。
指示では、人民班長に対し週1回以上の人民班会議の開催を義務付けるとともに、住民の「異常な発言」や行動を詳細に把握し、担当する安全員(警察官)へ文書で提出するよう命じた。韓国を「不変の主敵」であり「外国」と位置付ける新路線に対し、住民の間で思想的な動揺が広がることを未然に防ぐ狙いとみられる。
会議の表向きの目的は国家政策の徹底だが、実際には「統一」「民族」「同胞」「南北交流」といった従来の概念に言及したり、「敵対的二国家」路線に疑問を示したりする住民を見つけ出すことが主眼になっているという。
さらに社会安全省は、「一人たりとも漏らすな」と強調し、発言や行動だけでなく、普段の様子から「思想の動向」まで読み取り、具体的な状況を文書化するよう要求。人民班長が作成した週次報告書は、決められた曜日に安全員へ直接提出しなければならず、後になって問題発言や思想上の逸脱が判明した場合には、人民班長にも連帯責任を問うと警告しているという。
この措置が始まったとの知らせは、平城市や文徳郡、平原郡などで大きな緊張を招いているとされる。
人民班長からは、「住民の何気ない一言でも通報しなければ、自分が処罰される立場になる」と疲弊を訴える声が上がっているほか、住民の間でも「家を一歩出たら口を閉ざして生きるしかない」と不満が広がっているという。
一方で、安全員自身も「人の心の中までどうやって見抜き、文書に書けというのか」と、現場では実行の難しさに戸惑いの声が出ていると消息筋は伝えている。








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