北朝鮮の咸鏡南道当局が、いわゆる「戦勝節」(7月27日、朝鮮戦争の休戦協定締結日)を前に、参戦老兵への支援を呼びかけ、人民班(町内会)ごとに弁当や軽食を届ける事業を進めていると、デイリーNK伝えられた。
社会保障制度がまったく機能していない北朝鮮では、高齢者の多くが困窮している。
「一時は幹部だった老人たちも、現役を去り、食べ物を物乞いして回っている」
そんな衝撃的な情報を伝えたのは、咸鏡北道慶興郡の住民だ。
この声を伝えた米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、北朝鮮では男性60歳、女性55歳になると定年退職して、年老保障(年金)を受け取るようになる。それに加えて貢献度に応じて様々な特典もあり、朝鮮中央放送の李春姫(リ・チュニ)アナウンサーは、平壌の高級住宅地と呼ばれている普通江(ポトンガン)川岸段々式住宅区に入居する権利を得た。李さんの家を視察する金正恩総書記、その傍らで大喜びする彼女の姿は全世界に放送された。
だが、こんなに恵まれている人はごく一部。平壌の元幹部ですら定年退職後には困窮している。別の住民は2021年、普通江(ポトンガン)区域の元高位幹部が、靴の修繕をしながら生計を立てていると伝えた。傘の修繕、ライターのガスの詰め替えなどをしている人もいるとのことだ。
「幹部が引退すると、今まで住んでいた家を明け渡して、水道も出なければ電気も来ない郊外のマンションに引っ越しを余儀なくされる」(平壌の情報筋)
北朝鮮社会のあらゆる場面でワイロのやり取りが耐えないのは、こうした社会保障の欠如も大きな原因となっている。








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