7月9日に発売となったメルセデス・ベンツの新型CLA。高効率のハイブリッドシステムや第4世代MBUXなどが話題ですが、もちろん流麗なスタイリングも健在です。
今回は3代目のエクステリアデザインの特徴や意図について、メルセデス・ベンツ日本および本社に話を聞いてみました。

メルセデス・ベンツに聞く、新型CLAのデザイン意図


■電動化・デジタル化時代に進化させたデザイン

ーーでは最初に、現在のデザインフィロソフィである「センシュアル・ピュリティ」とは、具体的に何を想定、提示したものかを教えてください

「『Sensual Purity(官能的純粋)』は、感情に訴える官能的な美しさと、余計な要素を削ぎ落とした知的で純粋な造形という、相反する要素を融合させたデザイン哲学です。新型CLAはこのデザイン哲学を電動化・デジタル化の時代へと進化させたモデルであり、エモーショナルな魅力とインテリジェントな簡潔さを融合させました。例えば、明快で面を強調したフォルム、抑制されたライン、そして慎重にバランスされたプロポーションによって、エレガンスとダイナミックな動きを両立。クーペスタイルのシルエットは、空力性能と効率性を際立たせる一方、ロングホイールベース、短いオーバーハング、力強いGTスタイルのリアエンドにより、感情に訴えるスポーティな存在感を生み出しているのです」

ーー先代とは全長で35mm、全幅で25mm、全高で29mm、ホイールベースでは61mmとそれぞれ増となっていますが、その狙いはどこにありますか?

メルセデス・ベンツに聞く、新型CLAのデザイン意図


「新型の室内空間はこれまで以上に広くなっています。サイズの変更によって室内の居住性を向上させており、ホイールベースの延長によって足元空間を拡大し、ルーフラインを高くすることで乗員のヘッドルームも広げています。一方で、ボディサイズが拡大してもCLAのスポーティなキャラクターは維持されており、さらに洗練することでより魅力的なモデルに仕上げています」

ーー左右をつなげたランプや曲面を多用したグリルなど、新しいフロントフェイスの意図はどこにありますか? また、これが新世代のメルセデスセダンの顔になるのでしょうか?

メルセデス・ベンツに聞く、新型CLAのデザイン意図


「フロントエンドは、電動化・デジタル化の時代にふさわしい特徴的でエモーショナルなアイデンティティを生み出しています。シャークノーズデザインによってスポーティな印象を生み出し、前方へ傾斜するダイナミックなフロントデザインを形成。また、特徴的なパワードーム(ボンネット上の盛り上がったライン)によって、その印象をさらに強めています。従来のスポーティなグリルは、電動化時代に向けて『スターパネルグリル』として再解釈。シームレスなスターパネルには、個別にアニメーション表示が可能な142個のLEDスターが組み込まれており、メルセデス・ベンツとして初めて採用された発光式グリルパネルとなります。これはBEVモデルを明確に識別するためのシンボルであり、テクノロジーと美しさを結びつけるエモーショナルなデザインエレメントでもあります。
このグリルによってプログレッシブな印象と、一目でそれとわかる存在感を生み出しているのです。さらに、ライトバンドでつながれたヘッドライトと組み合わせることで、昼夜を問わずメルセデス・ベンツであることを認識できる、特徴的なシグネチャーグラフィックを形成しています」

ーー余計な要素を削ぐとしていますが、そのなかでサイド面に明快なキャラクターラインを追加した意図を教えてください

メルセデス・ベンツに聞く、新型CLAのデザイン意図


「サイドに設けられた明確なキャラクターラインは、光と影による印象的な表情を生み出すとともに、CLAらしいクーペのサイドビューを形作るうえで重要な要素として追加しています」

ーー2種類のアルミホイールのデザインには具体的なモチーフがありますか?

メルセデス・ベンツに聞く、新型CLAのデザイン意図


「まず、新型CLAのホイールデザインは、スポーティでありながらエレガントな車両の印象を形成するうえで重要な役割を担っており、空力性能と効率性をさらに最適化することを念頭にデザインされています。そのなかで、18インチホイールは一目で認識できるシルバーの『W』字型スポークグラフィックを特徴とし、その奥にはブラックのエアロダイナミックスキンが配置されています。5本のスポークは、ホイール中央部では細く、外周に向かって扇状に広がるデザインとし、これによってホイールを実際以上に大きく見せる視覚効果を生み出し、外周に施されたシルバーのアクセントによって、その印象をさらに強調しています。一方、19インチのAMGホイールは、5組のツインスポークを採用、技術的な精密さとスポーティかつプログレッシブな印象を融合しています。細く立体的に造形されたスポーク、コントラストを生む凹面形状、そして空力を意識したディテールによって、高いパフォーマンス性を感じさせると同時に、ホイールをより大きく、存在感のあるものに見せているのです」

ーーでは最後に、ボディカラーについて伺います。新色の「アクアミント」はどのような意図で開発されたのでしょうか?

メルセデス・ベンツに聞く、新型CLAのデザイン意図


「本国では『Aquamint grey uni(アクアミントグレー・ユニ)』と呼ばれていますが、これは彩度を抑えたプログレッシブなカラーで、現代のトレンドにも非常にマッチした色ですね。グレーをベースとしながら、明確に色味を感じさせることでラインアップのなかでも新鮮で個性的なカラーとなっています。また、新型CLAにモダンかつ一目で認識できる表情を与えると同時に、従来から設定されているエクステリアカラーとの意図的なコントラストを生み出しています」

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明快なキャラクターラインが特徴的だった初代に比べ、先代の2代目は柔らかい面を打ち出した柔和な表情が特徴でした。今回の3代目は、その両者の特徴をミックスしたうえで、デジタル時代を意識した先進性が加えられたようです。

〈文=すぎもと たかよし〉
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