春ドラマもいよいよ最終回に向けて盛り上がりを見せている。今期は主役級の実力派俳優が脇を固める作品が多く、主役を食うような名演技で存在感を放つバイプレイヤーの活躍も目立つ。
今回は、中でも特に印象的な演技を見せている助演俳優4人をピックアップする。

【関連写真】スナックのママ・月岡あかりを演じる野呂佳代の中学時代

■野呂佳代 『銀河の一票』(フジテレビ系)
野呂佳代は、黒木華主演の『銀河の一票』において月岡あかりを演じている。あかりはスナックでママとして働いていたが、星野茉莉(黒木華)に請われ、都知事選に出馬することになった。

あかりはその名の通り、周囲の人たちを明るく照らしている。茉莉をはじめスナックの常連客など、多くの人が彼女の明るさに救われている。一方で、第7話では、養護教諭時代に女子中学生を自殺に追い込んでしまったという後悔を抱え、深い自責の念に苦しみ、自ら命を絶とうとした過去も明かされた。

政治とは無縁の人生を歩んできたあかりだが、都知事選では"見捨てられてきた24%の弱者"に光を当てる政策を掲げ、弱い立場の人々に寄り添おうとしている。

野呂は、あかりが抱える内面的な苦しみを繊細に表現しつつ、同時に明るさと優しさを自然にあふれさせている。第1話で、母の形見のライトを暗闇の中で探す茉莉の前に、あかりがそっと現れるシーンがあった。その瞬間、画面が柔らかな光に包まれたような感覚を覚えたものだ。

これまでも「野呂佳代が出るドラマはハズレなし」と評されきたが、本作ではその期待をさらに超える演技を見せている。

■出口夏希 『サバ缶、宇宙へ行く』(フジテレビ系)
出口夏希は北村匠海主演の『サバ缶、宇宙へ行く』で、菅原奈未を演じている。
奈未はサバ缶宇宙食開発のプロジェクトを立ち上げた1期生の一人で、クールでありながらも、クラスを引っ張るリーダーとしての気質も備えている。奈未は母親に遠慮し、高校卒業後は家業を手伝うつもりでいたものの、自分の心に正直になり、東京の大学に進学する夢を叶えた。

出口は今をときめく若手俳優の一人で、朝ドラヒロインの有力候補ともささやかれている。また、人気企業のCMにも多数出演しており、今後さらなる飛躍が期待されている。

本作でも生徒役の中で際立った存在感を放っていた。奈未が高校卒業とともに物語から退場した際には、惜しむ声がSNSにあふれた。その後、教師役として再登場を果たしたが、教師となった出口は、新米教師としての悩みと希望を巧みに表現してみせた。

■有村架純 『GIFT』(TBS系)
有村架純は、堤真一主演の日曜劇場『GIFT』で、ライフスタイル誌「YURUGI」の記者・霧山人香を演じている。人香は明るい性格の持ち主だが、その裏には深い傷を抱えている。

父・英夫(山中聡)は運送会社を経営していたが、バイクで走行中だった朝谷圭二郎(本田響矢)と事故を起こし、会社は倒産に追い込まれた。

人香は圭二郎が「ブレイズブルズ」 の選手として活躍していたことを仕事を通して知り、彼に事実を伝え、謝罪した。このシーンは切なくも、苦しくもあり、多くの視聴者の涙を誘った。


有村は『海のはじまり』(フジテレビ系)の百瀬弥生のように周囲に気を配りながら、明るく振る舞う女性を演じるのが上手い。トラウマと向き合いながらも、今を懸命に生きる人香という役は、まさにハマリ役だと思う。

■井川遥 『田鎖ブラザーズ』(TBS系)
井川遥は、岡田将生と染谷将太がダブル主演を務める『田鎖ブラザーズ』で、足利晴子を演じている。晴子は質屋の店主として働きながら、31年前の両親殺害事件の犯人を自らの手で追う刑事・田鎖真(岡田将生)と検視官・田鎖稔(染谷将太)を弟のように気にかけ、事件解決のサポートを行っている。

しかし、1995年の事件当日、晴子自身も田鎖家の前をアルバイト帰りに通りかかり、犯人に切りつけられた被害者だったことが明かされる。小池俊太(岸谷五朗)をはじめ、多くの視聴者も"本当に偶然だったのか"と疑いをもっている。

第7話では、刑事の宮藤詩織(中条あやみ)に「もう時効よ」と意味深に言い放つ場面もあり、その表情や口調には怪しさが漂っていた。SNS上には"はるちゃんは田鎖兄弟の味方であってほしい"と切望する声が相次いでいる。

井川はこれまでも数々の作品で、物語の鍵を握る女性を演じてきた。本作でも、奥行きのある演技でサスペンスの緊張感を高め、視聴者の疑念を巧みに掻き立てている。

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