テストステロン(男性ホルモン)の低下は、体の不調を招くだけでなく、さまざまな病気の発症リスクとも深く関わっています。

泌尿器科医の村上先生によると、とくに関連が強いのはメタボリックシンドロームや2型糖尿病、そして男性では見落とされがちな骨粗鬆症です。


今回のテーマは「テストステロン低値と疾患リスクの関係」です。
メタボ・2型糖尿病とは密接な関係にある

テストステロンが低下すると、筋肉量の減少や脂肪の蓄積などを通じて、代謝バランスが乱れることがあります。その結果、内臓脂肪が増えやすくなり、高血圧や脂質代謝異常、血糖値の上昇などにつながる可能性があります。これらは、メタボリックシンドロームのリスクを高める要因の一つと考えられています。

村上先生によると、なかでも2型糖尿病との関連は特に強いとのこと。インスリン抵抗性の悪化を通じて、発症リスクを高めることが知られています。

また、心筋梗塞や狭心症との関連性も見逃せません。ただし、これらについては直接的な因果関係が明確になっているわけではなく、現在も研究が続いている段階です。
男性の骨粗鬆症は見逃されやすい

意外に見落とされがちなのが、骨粗鬆症との関係です。テストステロンは骨の維持に深く関与しているため、低下すると骨密度が落ち、骨折リスクの上昇を招きます。

男性の骨粗鬆症は女性と比べて頻度が低く診断されにくいものの、背骨の圧迫骨折や身長の低下につながるケースも少なくありません。そのため「テストステロンが低い男性は、骨の健康にも目を向けてほしい」と村上先生は話します。


村上知彦 むらかみともひこ 長崎大学医学部医学科 卒業 / 九州大学 泌尿器科 臨床助教を経て 現在は 医療法人 薬院ひ尿器科医院 勤務 / 専門は泌尿器科 この監修者の記事一覧はこちら

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