レビュー

「実にお行儀のいい、退屈な答えだね」
本書の冒頭で、主人公・和泉ヒカリは上司からこう告げられる。社内で「ロジカルシンキングの鬼」と評されるヒカリが、論理的に考え抜いてまとめた企画。

それなのに、「退屈な答え」と言われてしまうのだ。
著者の深沢真太郎氏は、ビジネス数学・教育家として、のべ2万人以上のビジネスパーソンを指導してきた人物である。数学的思考をビジネスの現場で活用する「ビジネス数学」を提唱し、大手企業からプロ野球球団まで幅広く人材育成に携わってきた。本書では、その豊富な経験に裏打ちされた思考法が、ストーリー形式でわかりやすく紹介されている。
本書の最大の魅力は、ロジカルシンキング、ラテラルシンキング、クリティカルシンキングという3つの思考法を、単なる知識としてではなく、問題解決の流れの中で使える「地図」として示している点にある。ロジカルに答えを出すだけではなく、そもそも解くべき問題は正しいのかを疑い、行き詰まったら発想を広げ、最後にまた答えを検証する。その行き来こそが、仕事で使える思考法なのだとわかる。
しかも本書は、ストーリー仕立てで展開されるため、まったく堅苦しさがない。読み進めるうちに、自分も会議室にいるような感覚で、3つの思考法を学んでいける。
「考える力」を引き上げたい人にぜひ読んでほしい。本書を読み終えるころには、問題を前にして立ち止まる時間が減り、「次に何を考えるべきか」が自然と見えてくるはずだ。

本書の要点

・問題解決においては、論理的に考えるロジカルシンキングだけでなく、発想を広げるラテラルシンキングと、前提を疑うクリティカルシンキングを組み合わせることが重要である。


・ラテラルシンキングでは、結合・分解・逆転・ずらすといった視点を意識することで、誰でもアイデアの幅を広げられる。
・クリティカルシンキングでは、答えだけでなく問題設定そのものを疑う。
・問題解決では、状況に応じて3つの思考法を行き来することが重要である。8つのルートをたどることで、迷わず答えにたどり着ける。



フライヤーでは、話題のビジネス・リベラルアーツの書籍を中心に毎日1冊、10分で読める要約を提供(年間365冊)しています。既に3,300タイトル以上の要約を公開中です。exciteニュースでは、「要約」の前の「レビュー」部分を掲載しています。

編集部おすすめ