レビュー

生成AIの発展と普及によって、誰もが高い品質のものを一瞬にして生み出せるようになった。文章を書くのが苦手でも、絵心がなくても、読みやすく整った文章や精細で美麗なイラストを鮮やかにつくり出すことができる。


しかし、AIが生成した文章や絵は、たとえ完成度が高くてもどこか物足りなさを感じてしまう。一方で、人間のクリエイターが生み出したものは、いびつなところや拙さがあっても、味わい深く感じられる。
この違いは、本書がテーマとしている「独自性」の有無によるところが大きいのかもしれない。本書における独自性とは、「競争から降りて自分の文脈をつくり、自己満足(自分らしさ)を追求することから生まれる」とされる。自己満足にこそ独自性の種があり、深掘りすることで世界とのつながりを見出すことができるのだ。
現代は競争社会であり、至るところに競争の原理がはびこっている。しかし、生産性でAIに太刀打ちできないように、競争にこだわり続けるのには限界がある。
著者は、それに代わる価値観として「独自性」を打ち出す。独自性と聞くと、天才ではない一般人とは無縁に感じるかもしれないが、独自性は誰もが持っているものだという。本書では、自分の中にある独自性を見つけるための考え方や、具体的なアクションを、わかりやすく、豊富な例に基づいて説明している。
AIがさまざまな仕事を代替する時代において、人間だけが持つ独自性を磨くためにどうすればいいのか――。本書からそのヒントを見つけてほしい。

本書の要点

・競争社会に生きる私たちは、勝ちにこだわりながらも競争に疲弊している。本書では、他者との比較ではなく「独自の価値観」をベースにした成長モデルをつくることを提案する。
・独自性とは「競争の土俵から降りて、自分の文脈をつくってしまうこと」。自分の文脈にこだわって、自分の世界に居座ったまま社会とのつながりを見出していくことである。
・独自性の種は「自己満足」にあり、それは「経験(自分と世界のあいだに生じる相互作用)」から生まれる。自己満足を見つけるには自分の「違和感」に注目し、その理由を徹底的に考えるとよい。



フライヤーでは、話題のビジネス・リベラルアーツの書籍を中心に毎日1冊、10分で読める要約を提供(年間365冊)しています。既に3,300タイトル以上の要約を公開中です。exciteニュースでは、「要約」の前の「レビュー」部分を掲載しています。

編集部おすすめ