レビュー

たこ焼き、お笑い、阪神タイガース。大阪という街には、賑やかでエネルギッシュなイメージが離れない。

本書は、そんな大阪像の背景にある「経済都市としての大阪」の本質に迫っていく。
かつて「天下の台所」と称された大阪。今は経済規模45兆円を誇る京阪神経済圏の中核であり、「世界のイノベーション拠点」へと変貌を遂げつつある。地理的な強みを活かし、商人たちが築き上げてきた独自の組織力こそが、この変化の原動力だという。
著者は関西のテレビ局で新卒から約6年間報道記者として活躍してきた方だが、出身は愛知県だという。京阪神で暮らしながらも「エセ関西弁」話者だと自認する、いわば「半分よそ者」の視点を持つ。この絶妙な距離感だからこそ、「大阪ならではのオモロイ歴史や文化」を余すことなく引き出せたのだろう。
大阪に根差した企業、それを支える進取の精神、IR計画の行方。こうした9つのトピックをビジネスの視点から多角的に解説してくれる。大阪生まれ大阪育ちの要約者も初耳の事実が次々に明らかになり、ページをめくるほど心躍り、時にクスっと笑ってしまうほどだった。
大阪の底力を知ることは、生きた教養の一つといえるだろう。大阪・関西万博やIRなど、未来を牽引する都市として世界の注目を集めるこの街。
その所以を、本書は歴史・産業・文化の面から縦横無尽に解き明かしていく。「知らんけど」では済まされない、大阪の魅力と奥深さを、ぜひ本書で確かめてほしい。

本書の要点

・大阪のビジネスは、「人と人をつなぐネットワーク」と「混ざる力」によって発展してきた。
・食品、製造業、エンターテインメントなど、大阪の多様な産業に共通するのは、「やってみなはれ」の挑戦心と合理主義である。
・万博やIRを契機に、大阪は日本を代表する国際ビジネス都市として、さらなる成長を目指している。



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