※本稿は、ななし『手取り25万円、妻子持ちでも7000万円貯めた私の 氷河期世代のお金の戦略』(Gakken)の一部を再編集したものです。
■「老後資産3000万円」を貯めた道のり
私が実際に老後資産3000万円を貯めるまでの道のりを、ざっと紹介しておきたいと思います。
私は趣味と実益を兼ねて個人投資家のブログをよく読むのですが、実はどういった推移でお金が貯まったのかを見ることはめったにありません。そこで、低収入なりにコツコツ資産を増やしていった経緯を紹介することで、やる気が増す方もいらっしゃると思うんです。
投資は市場の動向に大きく左右されるので「再現性のある話」とは言えませんが、「金融資産ってこうやって増えていくんだ」という参考になれば幸いです。
ちなみに公開する情報は「老後資産」だけではなく、生活防衛費を含んだ金融資産全体だったりしますが、そこは大目に見てください
■「収入の20%」を貯金と投資に回してきた
まず、私のお金の貯め方ですが、自分に課したルールはいたってシンプル。毎月の手取りの給料のうち「20%」を事前に取り分け、「10%を投資」「10%を貯金」するというものです。
若いころは「月5万+ボーナス各20万円」を投資と貯金に突っ込んでいましたね(実際の投資額としては年50万円なので、月平均4万円ちょっとになります)。
いまは子どもにお金がかかるようになってきたので、収入の10%を投資に回すだけになっています。収入が少ない自分が悪いのですが、やはり親としては、自分一人ならどれだけ節約できても、子どもに倹約生活を強いるということは、「心情的に難しい」ものです。
その代わり、ブログ運営やウェブライターの副業をはじめて、その収益で投資枠を増やしたり、現金とのバランスを調整したりしてきました。
このシンプルなやり方が自分に合っていたのかな、と思いますし、誰にでもおすすめできる資産形成かなとも思っています。
「20%って多いな」という解釈もあるでしょうが、裏を返せば「残りの80%は全部使っていいんだ」ということ。そこまで窮屈ではなく、そこそこ楽しんできました。
■「1000万円」を超えてからの伸びがヤバイ
さて、本題です。以下の図は、私が本格的に資産運用を始めた2007年から執筆時点(2026年)までの私の資産推移となります。
とりあえずこのグラフを見て思うことは、2019年からの伸びがスゴイということ。1000万円中盤の時期がつづいたあと、2019年、2000万円に到達。そこから3000万円を超えるのに2年。それ以降はほぼ1000万円ペースで増えています。
なお、グラフを見てわかるように、投資を始めてから何年かは大きく資産が増えない時期があったことは付け加えておきます。やはりそこは市況次第なので、仕方がありません。
■「積立投資」にたどりつくまでの紆余曲折
私がはじめて投資をしたのは2005年。始めたきっかけは、雑誌「週刊SPA!」で「新興国株特集」の記事を読んだことでした。
バブル経済の恩恵を受けられず、むしろその崩壊のあおりをモロに受けた世代としては、「新興国は人口が増加するし、高度経済成長期の日本に投資をするのと同じだから誰でも儲かるやろ!」といったノリで始めました。
最初に買ったのはインド株の投資信託。なけなしの200万円を投資し、1年くらいの運用で手数料や税金を差し引いても50万円くらい儲かった記憶があります。
でも、カンタンに利益が出たことで逆に怖くなり、投資初心者にありがちな「急落がきたら嫌だなぁ」という不安を抱いている状態も嫌になり、すべて売りました。
しかし、実際に投資をしてみたことで「これはちゃんと勉強したほうがよさそうだ」と思い立ち、ネットと図書館の本で本格的に勉強を始めます。
とくに参考にしていたのは『ウォール街のランダムウォーカー』『敗者のゲーム』(いずれも日本経済新聞出版)といったインデックス投資の古典的名著や、2ちゃんねるの投資スレッド(投資一般板)でしたね。
■50万円を失った…FX投資の苦い体験
こうしてまた投資を再開していきましたが、もちろん苦い体験もしています。
2006年から2007年にかけて円安が進み、米国と日本の金利差が開き始めたことで、FX(外国為替証拠金取引:異なる通貨を交換・売買し、為替レートの変動による利益を狙う投資)が流行っていました。
ここで私はレバレッジ(自己資金の数倍から数十倍の取引ができる仕組み)を使ってみましたが、サブプライム問題で一気に円高に振れ、50万円ほどを失いました。
いま振り返ると一番の元凶は「投資をすればカンタンにお金持ちになる!」と調子に乗ってしまったことだったんですね……。
■下落局面でもメンタルが楽でいられる
「インデックス投資」の「長期積立」にたどり着いた契機はリーマンショックでした。持っていた株は当然暴落して、価値が半分くらいになりましたし、勤めていた会社も倒産。
で、このとき、「株式投資は誰でもできる。でも長く続けるのは大変そう」ということをはっきりと自覚できました。上げ相場はウハウハなのでよいのです。しかし、下げ相場は想像以上にメンタルにくるということをこのとき思い知りました。
人によって神経の図太さは違うと思いますが、当時の私には無理だと感じたのです。20年、30年先に使うお金をつくり出すための投資なので、長期で続けることができないと期待している金額に届きません。
長く続けていくには精神的なしんどさを排除できる仕組みが必要だと痛感し、その最適解が「市場がどんな局面でも、インデックスの投資信託を毎月安定して買い続け、あとはほったらかすこと」、つまり、「積立投資」でした。
インデックスなので「投資先を分散」していること、さらに積立で「時間も分散」していることで、リスクを大きく下げられたため、めちゃくちゃメンタルが楽になりました。
■ほったらかし投資を楽しく続けるコツ
株式は(投資信託も含め)暴落が訪れたとき、場合によっては半額近くまで下落することもあります。そして長期投資では、こうした暴落を経験する可能性があります。
実際、私もリーマンショックでリスク資産が半分になりました。
愛読していた古典的名著では、株式の超長期リターンはインフレ調整後で年率6~7%程度とするデータがあります。私はこの考え方を拠りどころにしました。
・老後に使う資産なので、お金の値動きは気にしない!
・半額になったタイミングで、まとまったお金が必要になっても大丈夫なように、貯金もコツコツしておく
こういう基本的な心構えが身についてからは、投資は楽しい作業になり、コツコツ積立投資を続けています。
失業中でも積立投資を続けましたし、今後、予期せぬことが起こって長期的に無職になる期間があったとしても積立だけは止めないよう、現金も用意しています。
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ななし(ななし)
投資家
1976年生まれ。就職氷河期世代のインデックス投資家。「氷河期ブログななし」は月間PV25万、Xフォロワー4万(2026年7月時点)。リストラ、セミリタイアからの再就職、リーマンショックで資産半減など、さまざまな困難を乗り越え、非正規雇用&年収300万円から専業主婦の妻と子どもを養いながら、実家を頼らず、手堅い投資を続けて、ついに老後資産7000万円を達成。その快挙に注目した日経新聞などからも、取材を受けている。
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(投資家 ななし)

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