突如として起きた“大物議員”の「反乱」に、自民党内に衝撃が走った。小渕優子元経産相が党税制調査会(税調)の小野寺五典会長に、25日までに幹部職の辞意を伝えたのだ。
税調幹部(インナー)は小渕氏を含め9人で、党内でも強い権限を持つ。中でも小渕氏は、財政規律を重視する立場として知られる。超党派の社会保障国民会議で議論が進められている飲食料品の消費税減税について、来年4月から2年間限定で1%に引き下げる案に反発したとみられる。
■「反対意見が雪崩を打って…」
実際、消費税減税をめぐって、自民党内の軋轢が表面化しつつある。25日の税調の会議で、大岡敏孝衆院議員が「消費税をポピュリズム的に上げたり下げたりしてしまうと社会に混乱をきたす」と批判。ほかにも、これまでの会合で「稲田朋美元防衛相や葉梨康弘元法相、山田美樹衆院議員などベテラン・中堅も消費税減税への反対意見を述べた」(税調の会議に出席した議員)という。
さらに、自民農林族も反対姿勢を強めている。彼らの支持基盤である農業従事者の多くは売上高が年間1000万円以下の「免税事業者」であり、食料品にかかる消費税8%分を価格に上乗せして販売できる。しかし、消費税が1%やゼロになると、売り上げが減る一方、肥料などの仕入れにかかる消費税10%は残る。生産コストが上昇し、経営悪化の懸念があるというのだ。
そもそも、自民が2月の衆院選で一転して「食料品の消費税ゼロ」を掲げたのは、高市首相が“争点潰し”を狙ったからとされる。野党がこぞって実現を訴えていた消費税減税の議論を、形骸化させる目的だ。
結果、選挙で大勝したはいいものの、党内には不満が充満。「『小渕の乱』で口火が切られたことによって、異論が雪崩を打って出てくるのではないか」(自民関係者)ともっぱらだ。減税が実現するか、雲行きが怪しくなってきた。
「正直、自民が消費税減税を打ち出さなくても、選挙結果はそこまで変わらなかったんじゃないでしょうか。党内で収拾がつくかもわからないし、こんな混乱を生むくらいなら、高市さんは争点潰しなんてしなければよかったんですよ。とはいえ、公約として掲げた以上は、やらないとまずい。国民から『約束を破った』と受け取られれば、政権への打撃になりかねません」(前出の議員)
安易な決断のツケは大きい。高市首相は強行突破するのか。
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