16日に放送が始まった連続時代劇BS-TBS「心配無用ノ介 天下御免」(木曜夜11時)は、数々の賞を受賞した人気映画『侍タイムスリッパー』の初スピンオフ作品。どこからともなく現れ、決め台詞「心配ご無用!」とともに悪を成敗する無用ノ介(田村ツトム)は、映画の中の劇中テレビ時代劇として登場し、映画の主人公・高坂新左衛門(山口馬木也)に肉薄する人気を博したキャラクターだ。


 ドラマには、映画で助監督を演じた沙倉ゆうのが無用之介の味方となる影のお庭番くの一おゆう役として出演。無用ノ介を「若」と呼ぶお庭番の善治(井之上チャル)とともに、悪を追うことになる。


 第一話では、高利貸しの大黒屋(木村康志)に行ったまま戻らない母を心配する少年・小吉(住田将太)に出会った無用ノ介が、お庭番の二人とともに事件を探索。悪徳商人と悪侍を見事に成敗した。「お主もつくづく悪よのう」「いえいえ、吉野様ほどでは」とほくそ笑む悪人たちにズバッと決めセリフをぶつける無用ノ介は、まさに正義のヒーロー。勧善懲悪時代劇の面白さを詰め込んだ30分となった。


 映画と同じく、監督・脚本・撮影は安田淳一監督。第二話のみ、映画「碁盤斬り」などを手がけた白石和彌監督が担当した。このシリーズのユニークなところは、無用之介が颯爽としながらもどこか飄々とコミカルな雰囲気も持っている主人公であるところ。


 主演の田村は、朝ドラ「おちょやん」「舞いあがれ!」はじめ、時代劇や喜劇の舞台でも経験を積んでいる。ストーリーも王道の時代劇から、ドラマ制作の舞台裏まで描き、映画に出てきた京都の住職夫婦も顔を出すというこれまでの連続時代劇にはない斬新な構成だ。


 さらに注目したいのは、豪華キャスト。

現在、大河ドラマ「豊臣兄弟!」はじめ、さまざまな作品に引っ張りだこの山口馬木也が浪人、冨家ノリマサが将軍徳川宗義役で、特別ゲストとして芸歴60年の大ベテラン・大竹修造、本田博太郎竹中直人も出演する。竹中は、山口に出演を直訴したという。


 撮影は、京都の太秦映画村で、多くのファンが見つめる公開形式で行われた。俳優陣の熱演とスタッフの熱意、番組への期待は、SNSにより、拡散され続けている。


 クレイジーケンバンドによるエンディング曲「心配無用節」とともに、無用之介たちのスカッとする世直しを見届けたい。


(ベリー荻野/時代劇研究家)


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