【「GTO」この生徒役に注目】#1


 稲垣来泉(伊藤結役)


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 学園ドラマ生徒役のバランスを考えると、優等生役などを的確に演じることができる演技派が1人は欲しい。生徒役の中に演技経験が豊富な人がいると、作品が引き締まるだけでなく、演じている背中を見せることで、ほかの生徒役への影響力は大きい。


 今回の「GTO」の生徒役でその役割を担うのは、子役時代にNHK朝ドラ「ちむどんどん」でヒロインの幼少期と孫の2役を演じた稲垣来泉だろう。今回のドラマでは伊藤結役を演じている。


 2011年1月5日生まれ、千葉県出身。25年のNHK大河ドラマ「べらぼう」では福原遥が演じた花魁の幼少期を演じた。阿部寛と親子役で共演した味の素クックドゥのCMでごはんをモリモリ食べた、というと「ああ、あの子か」とわかる人が多いと思う。


 彼女は抜群の演技力と、夏祭りの縁日のような懐かしさを秘めた親しみやすい卵顔が魅力的で、上白石萌音や所属事務所の先輩の杉咲花に通じる“エモさ”がある。


 過去にも多くの女優が、学園ドラマで注目を集めた。例としては「3年B組金八先生」の上戸彩、「ドラゴン桜」第1シリーズの新垣結衣と長澤まさみ、「表参道高校合唱部!」で連ドラ初主演した芳根京子、「御上先生」の上坂樹里(朝ドラ「風、薫る」ヒロイン)が挙げられる。


 10代女優の連ドラでの起用で主なものとしては、主人公の妹・娘役か、学園ドラマの生徒役となる。前者は多くても2人でシリアスなストーリーの中の清涼剤的な要素になるのに対して、学園ドラマは男子も含む複数のメンバーが一話ごとにメイン回を与えられて深い人間ドラマが描かれるので、視聴者の印象に残るためには、愛らしさ(またはかっこよさ)のインパクト、抜きんでた個性、表現力が必要となる。


 稲垣来泉は、その3つの要素を3連符に束ねて、存在感の中からすてきなメロディーを奏でる魅力的な女優だ。「GTO」の私立誠進学園には、どんな「くるみのメロディー」が奏でられるのだろうか。

(次回は北里琉)


(高倉文紀/女優・男優評論家)


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