テニスの全仏オープン混合ダブルスの元覇者が、「国際ロマンス詐欺」に加担し、だまし取った犯罪収益金を暗号資産に換金して犯罪組織とみられる人物に送金していた。


 SNSを使って鹿児島市の50代の女性から現金30万円をだまし取ったとして、高知県警宿毛署は22日、千葉県白井市に住む元プロテニス選手の会社員、平木理化容疑者(54)を詐欺の疑いで逮捕した。


 2022年6月、宿毛署管内の住民が国際ロマンス詐欺の被害に遭う事件が発生。署が振込先を調べたところ、「平木理化」名義の口座に入金されていた。その後の捜査の過程で平木容疑者が同年2~5月、何者かと共謀し、鹿児島市の50代女性に現金30万円を振り込ませていたことが判明。平木容疑者らはSNSでパリの病院に勤務する整形外科医を名乗り、「荷物が税関で止められている。受け取るためには、証明書代が必要だ」と持ちかけていた。


「平木は30万円のうち現金2万円をATMで引き出し、残り27万円超を暗号資産に換え、本人名義の別の口座に移していた。さらに資金洗浄した暗号資産を、他の人物の口座に送金していた。平木が千葉県内のATMで現金を引き出す様子が防犯カメラに写っていた」(捜査事情通)


 調べに対し、平木容疑者は「身に覚えがない」と容疑を否認している。



テニス協会常務理事やNTT関連会社広報課長を務める

 平木容疑者はレバノン・ベイルート生まれ。高校1年からワールドツアーに参戦し、1人で各地を転戦。青学大国際政治経済学部を卒業後、プロとして活躍し、1997年、全仏オープンの混合ダブルスで優勝した。


 2014年には「日本テニス協会」の常務理事に就任。

理事の経験はなかったものの、「WTA(女子テニス協会)ツアー」でドーピング委員を務めるなど、豊富な国際経験と知識を買われていた。


 一方で長年、会社員としてNTTコミュニケーションズに勤務し、経営企画部広報室の担当課長を務めた。18年には地元の白井市から「しろいふるさと大使」に任命され、任期終了となる2年前まで市内の学校で講演活動やテニス教室を行うなど、スポーツの普及に取り組んできた。


「驚いています。協会の常務理事は19年まで務めていました。任期を終えてからは何をしていたか、まったく知りませんでした」(日本テニス協会広報担当者)


 地元関係者によると「現在はテニスとはまったく関係のない仕事をしています」とのこと。


 国際ロマンス詐欺の片棒を担ぐとは、レジェンドに何があったのか。


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