【お笑い界 偉人・奇人・変人伝】#300


 あおい輝彦さん


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「今日のゲストはジャニーズです!」とMCが言うと、観覧席から「キャー!」「ウソ~!」と悲鳴にも似た歓声が上がりました。入場口からあおいさんが登場すると「え~~~!」と落胆する声が響きました。


「ちょっと待って、ちょっと待って! 僕が最初のジャニーズだからね! 知らない?」と観客席に声をかけ、「知らない~」と返され、苦笑しながら「この(若い)年代のみなさんは知らないよね。そうだよね。改めて言っておきます、僕が最初のジャニーズという4人組のひとりだったんですよ。覚えて帰ってくださいね」と自ら説明をされました。


「へぇ~~!」と驚く観客に「僕が説明しなきゃいけなかったの?」と1人ボケ1人ツッコミで笑いをとり、会場を静めてから着席しました。アイドル時全盛期を知る我々からしたら恐縮してしまいますが、ご本人は全く気にしていないからさらに驚きます。元祖アイドルなのに本当にすてきなオジサマでした。


 1970年代の大人気アニメ「あしたのジョー」の主役・矢吹丈の声も担当されていたので、「大ファンでした!」とご挨拶すると「君も? ありがたいことだね。あの時は変にキャラクターをつくらずに、自分がジョーになり切ってやってたね。懐かしいね。“力石、待ってろよ”ってね」と、名セリフを目の前で聞かせていただいてドキドキしたものです。


 出演された当時は「水戸黄門」の助さん役として、日本中に知らない人はいないほどの超有名人。

「いい役をさせていただいて、ほんとにいい方と出会わせていただいて、いいドラマ、いい役を頂いて恵まれてきましたね」と、すべては周囲の方のおかげと語っていました。大スターとは思えない謙虚さと気さくな人柄が相まって、初めてお会いしたような気がしない、仕事をしていて“気持ちのいい”方でした。


 いつもNSCの最後の授業では「どんなスーパースターも一人では何もできないということを忘れないように!」と伝えていましたが、芸能界で“気持ちのいい”方は謙虚で誰に対しても態度が変わらず、常に感謝の気持ちを持って、またそれを口にすることをはばからない方ばかり。


 そんな方だからこそ、大きなチャンスも訪れるし、チャンスが血となり肉となって、次の作品、そのまた次の作品へとつなげていくことができるのでしょう。


 人気にあぐらをかくことなく、感謝と努力を継続していけることの大切さを痛感します。


(本多正識/漫才作家)


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