「高市内閣の政策を大きく前に進めることができた」──木原稔官房長官がきのう(24日)の定例会見で特別国会を総括した言葉だ。前進させた政策として「国家情報会議」創設法、改正皇室典範を挙げたが、いずれも暮らしに直結しないものばかり。

物価高に苦しむ生活者を無視した異常な国会を物語る。


 木原官房長官は「引き続き気を引き締め、日本列島を強く豊かにしていきたい」と続けたが、ユルユル財政のツケは積み上がるいっぽうだ。代表例は食料品の消費税減税である。


「骨太の方針」に〈本年8月上旬までを目途に、その方針を決定する〉と明記したものの、「実質ゼロ」を目指せば必要な財源は年5兆円に上る。しかし高市首相は「赤字国債に頼らない」と言うだけで、財源捻出の具体策は何ひとつ語らない。


 骨太方針の目玉策「370兆円超の官民投資計画」もズボラの極みだ。2040年度までに民間から250兆円を引き出す目標を掲げているが、具体策はゼロ。政府支出の規模も明確な内訳は示されていない。民間分を差し引いても、来年度からの14年間で年平均8.5兆円ほどの財源が必要なのに、単に大風呂敷を広げているだけだ。


 ガソリン・軽油引取税の旧暫定税率廃止に伴う国と地方の計1.5兆円の税収減や、日本維新の会肝いりの高校無償化の財源の一部0.7兆円の穴埋めも先送り。締めて年15.7兆円もの手当てがつかないまま、年内の安保関連3文書改定は既定路線だ。


■ムダ削減は実質0円


 防衛費増額の規模は未定だが、すでにトランプ米政権が同盟国に求める「GDP比3.5%超」は押し返せそうにない。

受け入れれば年24.1兆円と、今年度当初予算の約9兆円から2.6倍以上に跳ね上がる。


「高市政権は政策減税の租税特別措置や産業向け補助金など優遇制度を見直し、『ムダを削って財源を確保』と各省庁に自主点検を促した。ところが、約120件の優遇制度のうち廃止方針が示されたのは1件のみ。経産省所管の『企業の事業再編にかかる登録免許税の軽減』だけで、24年度の開始から申請実績はゼロ。ただ、こちらの減税措置は直接的な予算を計上しておらず、つまり生み出した財源は実質0円です」(政府関係者)


 年総額40兆円規模の財源不足が宙に浮いた状態が、いつまでも続くわけがない。いずれ放漫のツケが大増税の形で庶民に回って来るのは必至だ。


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