7月期の連続ドラマでちょっとした異変が起きている。関係者の多くは、昨年度前期のNHK連続テレビ小説「あんぱん」の追い風を受けた今田美桜(29)が主演し、失敗が少ない医療ものという理由で、「クロスロード~救命救急の約束~」(テレビ朝日系)が圧勝するとみていた。


 ところが、序盤とはいえ、若年層視聴者は今田ではなく、18年ぶりの地上波連ドラ主演となった蒼井優(40)の「Tシャツが乾くまで」(TBS系)に惹きつけられている。


 世帯平均視聴率は「クロスロード──」が「Tシャツ──」を上回っているものの、若年層の視聴者の動向を示すTVerの見逃し無料配信動画サービスの“お気に入り登録者ランキング”では、69万人の「クロスロード──」に対し、「Tシャツ──」は100万人に迫り、大差をつけてトップを維持している(7月24日現在)。


「クロスロード──」の前評判が高かったのは、今田の世代を超えた抜群の好感度、若手イケメン俳優の磯村勇斗(33)や寛一郎(29)を脇に配置したキャスティング、加えて中高年の固定視聴者がついている「ドクターX~外科医・大門未知子~」「科捜研の女」シリーズを生み出したテレビ朝日の医療ドラマであることが大きかった。


「あんぱん」で、子供からお年寄りまでの心をわし掴みにしたはずの今田だが、なぜ今回のドラマは苦戦気味なのか。


「正義感に燃える若い医師という設定は十分に理解できますが、今田の説明ゼリフの多さが、どうにも気になってしまうようです。もう少しセリフの行間を視聴者に預け、見る側に考えさせる間を与えればよかった。SNSには《美桜ちゃんは好きだけど、役柄がしつこいしウザい!》なんてコメントもあるくらいです」(芸能関係者)


■演技力のごまかしがきかない「医療ドラマ」


 これとは別に、“医療もの”と定番企画のせいで、これまで演出や脚本でカバーできていた今田の未熟な演技力が露呈してしまったと指摘する関係者もいる。今田は朝ドラ終了後の初主演作品の選択を誤ってしまったようだ。


「視聴者は、今田の爽やかでけなげな演技より、視聴後に不快感や心のザワつきが否めないイヤミス(嫌なミステリー)を選んだということでしょう。蒼井をはじめとして中島歩(37)や夏帆(35)、松山ケンイチ(41)といった芸達者なキャスティングも、“絶対何かある”と続きが見たくなるように仕向ける効果は抜群です。朝ドラ『ブギウギ』で演じた、はつらつとした歌劇団の娘役トップスターとはまさに正反対の蒼井の“危うい演技”は、脚本の生方美久氏の筆力を借りて、“カメレオン女優”という称号にさらに箔をつけているように思えます」(前出の芸能関係者)


 今田の演技とセリフに微妙な変化が生まれたら、「クロスロード──」が「Tシャツ──」を巻き返すチャンスもまだありそうだ。


(芋澤貞雄/芸能ジャーナリスト)


  ◇  ◇  ◇


 最新のテレビドラマについては、関連記事【もっと読む】【さらに読む】などでも詳しく報じている。


編集部おすすめ